◇23日 G3「中日スポーツ創刊70周年 中日カップ」最終日(三重県・津ボート)

 12Rで優勝戦が行われ、1番人気に推された古賀繁輝(37)=佐賀=が、インからコンマ13のスタートを決め先制。そのまま押し切り、1月のからつ以来となる今年2回目、通算47回目となる優勝を飾った。2着には林美憲、3着には船岡洋一郎が入り3連単の〈1〉〈4〉〈5〉は1800円の平穏決着だった。

 思い返せば古賀は初日シード番組の5R1号艇でまくられる滑り出しだった。「あの時はペラを焼く時間もなかったけど、敗れた中で方向性は間違えていないと思うことができた」と、気落ちもなければ焦りもなく、あるのは次のレースへ向けての自信だけだった。予選を終わってみればトップ通過。自信は、日を追うごとに確信に変わった。

 レース間特訓から荒川健太、そして林美憲の動向は意識の中にあった。「林さんがリングを交換してきたのを見て『一発勝負を狙ってきた』と思っていました。さすがにエンジンを出してきましたね」と、古賀はしたたり落ちる汗をぬぐうことなく振り返る。その林が、4カドからスリットで古賀より前につけて絞り込んできた。「なんとしても林さんより先に回ることだけを考えていた」。1Mは古賀の執念が勝って林は寸前で差しにチェンジ、この時点で古賀の優勝は決まった。

 現在多摩川ではSGオールスターが行われている。「佐賀から5人も出てるんですよ。それも後輩ばかり…。ぼくもまたあの緊張感を味わいたい。ダービーはボーダー付近(22日時点で38位)だし、出場権を取りたいね」。4年ぶりのSGへ、もう一度炎を燃やす夏だ。