◇23日 男子ゴルフ ミズノ・オープン第1日(岡山県笠岡市、JFE瀬戸内海GC)

 顎(がく)関節治療からの復活を目指し、ノーシードから今季初戦を迎えた池田勇太(38)は、4バーディー、1ボギーの69、3アンダーで16位発進となった。ツアー4勝の堀川未来夢(31)=ウエーブエナジー=と未勝利の阿久津未来也(29)が64で8アンダーの首位。初優勝を目指す27歳の中山絹也(けんや)=フリーウォーク=が6アンダーで2打差5位につけた。

 「18ホールやれてよかった。後半はしんどかった」。今季初試合の初日のプレーを終えた池田は疲労感たっぷりに口を開いた。しかし、プレー内容を振り返るうち、徐々に高揚感が増した様子。「自分の感覚を尊重してよかった。こういうゴルフを続けたい。自信がつけばもっと攻められる」と手応えを感じていた。

 昨年末から本格的な治療に入り、ボールを打ち始めたのは約1カ月前からだった。観客や他の選手、大会関係者らも注目した第1Rは4バーディー、1ボギー。どこまで体がもつか分からず、ショットは右にも左にもぶれて、インでフェアウエーをとらえたのは1ホールだけだった。

 それでも、「ミスらしいミス、やっちゃいけないミスはなかった」と言い切れるのはツアー21勝の経験から。「(手術などで)腕の長さが変わったので」と、シャフトの長さを2インチほど短くして34インチにしたパターが絶好調。「ここまで安定しているのは久しぶり。外れ方だったり、ストロークだったりボールの転がりだったりは雲泥の差。去年よりも全然まし」。17番では7メートルを入れた。

 言葉はどんどん熱を帯びた。しかし、まだ初日が終わっただけであることは池田本人が最もよく分かっている。「体がどこまで持つか。クリアしなければいけない山は、まだまだある」。4日間で最も疲労を感じやすいと言われる2日目は午前11時45分スタート。午後は風との闘いも強いられる。池田の試練はまだまだ続く。