◇23日 都市対抗野球大会東海地区2次予選第1代表決定トーナメント1回戦 東邦ガス2―0矢場とんブースターズ(岡崎レッドダイヤモンドスタジアム)

 社会人野球の都市対抗大会(7月19日から12日間・東京ドーム)の出場権6枠を争う東海地区2次予選が始まった。第1代表を決めるトーナメントの1回戦2試合があり、東邦ガス(名古屋市)は矢場とんブースターズ(同)に2―0、三菱自動車岡崎(岡崎市)はジェイプロジェクト(名古屋市)に7―1で勝利した。

 東邦ガスの先発・大石晨慈(しんじ)投手(23)が、相手打線をわずか2安打に抑えて完封勝利。昨季までのチーム3番手から、左のエース格に成長した姿を見せた。8回1死までは無安打投球。「『ゼロやな』とは思っていたけれど、チームが勝つために目の前の打者だけを意識して投げた」と振り返った。

 昨年は第6代表決定トーナメントの2回戦で敗退し、7年連続の本戦出場を逃した。自身は大黒柱の辻本宙夢(27)、昨季台頭した高橋佑輔(25)の両右腕に次ぐ立場。大事な試合での登板機会が少なく、「今年は自分が投げて勝ちたい」と冬場の練習に取り組んだ。体重は5キロ増やして95キロに達し、ボールの切れや出力に磨きをかけて今季に臨んだ。

 この日唯一のピンチは5回。失策で許した走者を三塁まで進められたが、最後は自己最速を更新する150キロの直球で空振り三振。「(表示を)二度見しました」と疑いつつも、気迫の投球で乗り切った。大石の成長に宇津野純一監督(40)は「期待通りの投球をしてくれた。信頼できる投手がそろってきた」とうなずいた。

 近大付高、近大を経て入社し、今季で大卒2年目。「プロに行きたい。結果を残してアピールするためにも、本戦に出たい」と大石。ドラフト解禁を迎えた勝負の年にチームの中心選手として、都市対抗の切符をつかみにいく。