日本サッカー協会は24日、2026年W杯北中米大会アジア2次予選B組のミャンマー戦(6月6日・ヤンゴン)、シリア戦(同11日・エディオンピースウイング広島)に臨む日本代表メンバー26人を発表した。パリ五輪世代から選ばれたMF久保建英(22)=レアル・ソシエダード=とFW鈴木唯人(22)=ブレンビー=は所属クラブの方針で五輪本大会は不参加の見通しとなり、山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「2人はこちら(A代表)に専念して、9月のW杯アジア最終予選に備える」と話した。

 久保、鈴木唯のパリ五輪参戦が事実上、消滅した。常連の久保とともに鈴木唯は約2年半ぶりにA代表へ招集され、6月のW杯アジア2次予選2試合と同時期に米国へ遠征するU―23日本代表への合流は見送られた。五輪本大会に選手を派遣する義務のない所属クラブとの交渉は難航を極め、山本NDは「久保と鈴木唯はクラブから(パリ五輪に)招集はできないという結論に現状は至っている」と説明した。

 原則23歳以下の選手で争われる五輪は国際サッカー連盟(FIFA)が規定する国際試合期間外のため、協会側の招集に強制力がなく、各選手の所属クラブの方針が最優先される。

 今夏、久保と鈴木唯がが移籍する可能性も残されているが、五輪本大会の登録期限は迫っており、山本NDは「鋭意努力はするが、極めて難しい状況」と指摘した。

 鈴木唯は今季公式戦31試合に出場、11得点10アシストを記録し、欧州ではビッグクラブのターゲットになっている。今夏の五輪出場が困難になったため、森保一監督は「国際試合でより力を発揮できる力を付けている」としてA代表への招集を”前倒し”。トップ下、シャドーなど激戦区の2列目でテストする方針で、「成長を期待している」と森保監督。9月から始まるW杯アジア最終予選を前に、新戦力アタッカーの台頭を渇望した。