日本相撲協会は1日、大相撲名古屋場所(中日新聞社共催)の番付を発表し、入幕3場所目の夏場所で初優勝した大の里(24)=二所ノ関=が新関脇に昇進。新小結で挙げた先場所の12勝を起点に、新入幕からの所要で「昭和の大横綱」大鵬の6場所を上回る5場所での大関とりに意欲を示した。平戸海(24)=境川=は、新小結の座をつかんだ。

  ◇  ◇  ◇

 最初のチャンスを逃さない。大の里が、もう一丁の大鵬超えに意欲満々だ。名古屋場所で入幕4場所目。秋場所までに大関昇進を果たせば「昭和の大横綱」大鵬の新入幕から所要6場所を超え、年6場所が定着した1958年以降で最速となる。愛知県安城市の宿舎で会見した24歳は、大記録に自信をにじませた。

 「大事な場所」「今場所がすごく大事」と計5度。初Vの夏場所は新小結で12勝。三役の直近3場所で計33勝という大関昇進の目安に向け、順調な第一歩を踏み出した。「目指せるものがある番付。15日間、一生懸命頑張って、その中で結果がついてくると思う」

 すでに一度、大鵬超えをやってのけて大器ぶりを示している。新入幕から3場所連続で2桁白星を挙げて計34勝。大鵬の30勝を上回った。夏場所からまげを結えるようになったばかり。毎日が新鮮。大横綱に肩を並べて抜き去っても、重圧とは無縁でいられる。

 「入門して2年目。これからだと思う」。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の指導は、まだまだ基礎が中心。土台が完成して潜在能力をフルに発揮すれば、どんな記録を浮かび上がらせるのか。天井知らずだ。

 この日は能登半島地震から半年。石川県津幡町出身として「土俵の上で勝つことが一番大事」と決意を新たにした。幕下付け出しデビューから、所要7場所という昭和以降で2位タイのスピード新関脇も通過点。関取として初見参の名古屋で、勢いを見せつける。