■スバル・クロストレックはベースモデルでも十分に走る

●いい走りの条件、その1丁目1番地はステアフィールにあり!

清水和夫がスバル・クロストレックで雪上ドライブ
清水和夫がスバル・クロストレックで雪上ドライブ

インプレッサのクロスオーバーSUVとして誕生したXV。2022年9月に世界初公開された3代目から、日本でもCROSSTREK(クロストレック)の名で発売中です。

グレードはTouring(ツーリング)とLimited(リミテッド)の2種。共にFB20型2.0L DOHC4気筒水平対向直噴エンジン+e-BOXERのマイルドハイブリッドで、それぞれに2WD(FF)とAWDを設定しています。インナーフレーム構造を採用したSGP(スバルグローバルプラットフォーム)、2ピニオン電動パワーステアリング、3眼アイサイトなど、最新技術が投入されています。

室内静かだし直進性もいいし♪
室内静かだし直進性もいいし♪

今回、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが試乗したのはベースグレード、ツーリングのAWD。北海道最北の地、ノシャップ岬から宗谷岬へ、雪上ドライブを楽しみました。

「雪上ならSUBARUのAWDに任せろ!」、さて、清水さんのインプレッションを聞いてみましょう。

●300万円前後で買えるSUV、こいつは外せないぞ!

いや〜安心して走れる。直進性いいし ステアフィールがいい。今、約300万円の車の中では1番ステアフィールがいいんじゃないかな。

ステアフィールが良いのがイイ車の条件の1丁目1番地!
ステアフィールが良いのがイイ車の条件の1丁目1番地!

最近のスバルの中では、クロストレックが一番乗り心地いいですね、音も静かだし。今乗っているツーリングは1番のベースモデルなんだけどね。

このクロストレックとインプレッサは、SGP(スバルグローバルプラットフォーム)の中でインナーフレーム構造を持っていたりと、1番進化したバージョン。

スバル・クロストレックは雪上でも超安心して走れる
スバル・クロストレックは雪上でも超安心して走れる

ということで、この乗り味、乗り心地だけ見ると、1番上の(クラスの)アウトバックよりもいいし、世代的にはフォレスターがちょっと古いかな?っていう感じはしますけど、洗練されています。

300万円くらいで買える SUV とすれば、大きさで言ったらフォレスターの安いモデルの方がいいのかもしれないけど、このクロストレックも悪くない。

路面とタイヤの接地性が良くないとな
路面とタイヤの接地性が良くないとな

雪道って路面の表面がデコボコしているから、乗り心地の評価にはすごくいいんだ。乗り心地っていうのは、タイヤと路面の接地の話なので、いくら四輪駆動でもデコボコしてタイヤが路面から跳ねていたら 正しいトラクション性能が出にくい。サスペンションのしなやかさが四輪駆動には大事です。

エンジンとCVTのトランスミッション、この辺の組み合わせも使いやすいね。めちゃくちゃスポーティって感じでもないんだけど、実用的には十分なパワーとトルクとCVTの使いやすさがあります。

この辺は北の大地という感じで、風力発電が結構あります
この辺は北の大地という感じで、風力発電が結構あります

スバルのCVTは金属ベルトを使っています。シェフラー製かな? だからダイレクト感があります。

ウン、クロストレックだったら日本一周できるな! まっすぐ走るし、室内は静かだし、ステアフィールもいいし、雪でも雨でも安定してるし。水平対向エンジンもそんなに強いキャラクターじゃないので、万人受けします。

●普通に会話ができる室内の静粛性は特筆もの!

は〜るばる来たぜ宗谷岬!
は〜るばる来たぜ宗谷岬!

クロストレックで50〜60km、雪の中を走ってきたけど、今のスバル車の中で1番乗り心地がいいかも。あと、後ろの席と前の席で普通の声で会話ができます。最近の日本車って、後ろの席のロードノイズが大きくて、室内で会話できる車って少ないんだけど、これは相当静かです。

ということで今、稚内の先端のノシャップ岬に来ました。ここは港町。でも、冬の海は仕事ができないので、船はみんな陸上げされています。

稚内には、日本の航空自衛隊の最北端の基地がある。最もロシアに近いっていうことで、緊急発進(スクランブル)できる体制を取っているって聞きますね。陸上自衛隊は旭川とか名寄に駐屯基地がありますけど、これが最北端なのかな。いずれにしても、風が冷たい稚内です。

暖冬とはいえ、ココは凍れるぜ
暖冬とはいえ、ココは凍れるぜ

いや〜このクロストレック、四輪駆動だからイイ!とかっていう以前に、このステアフィールがめちゃくちゃいいね。これ、結構値段の高いボッシュ製のシステムを使っている。スバルはこのSGPの新しいプラットフォームに対して、 1番ベースモデルのインプレッサとクロストレックに、このボッシュ製システムの電動パワーステアリングを使っている。将来、アップデートできるっていうメリットもあるし。

クロストレックの素晴らしさはステアフィールにあり!
クロストレックの素晴らしさはステアフィールにあり!

それにしても、このステアフィールが路面の変化で、ちょっとハンドルが動く時に、この手応えがすぐに分かるから、路面が変わったなとかよく分かる。あるいは、人間が操舵する時の、この辺のセンターフィールが、本当にこうタイヤの接地感が手のひらでもうビシビシ分かる。

これだよね! いい走りっていうのは!! このステアフィールに1丁目1番地があるんだよ。


長距離でも疲れ知らず、ストレス知らずなスバル・クロストレック。雪道でも頼もしい電動パワステがもたらすステアフィールの良さ。皆さまも一度試乗してみてはいかがですか? 清水和夫さんのすべてのインプレッションは動画でドーゾ!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの)

スバル・クロストレックの主なスペック
スバル・クロストレックの主なスペック

【SPECIFICATIONS 】
車名:SUBARU CROSSTREK Touring(AWD)
全長×全幅×全高:4480×1800×1580mm(※ルーフレール装着車)
ホイールベース:2670mm
トレッド(前/後):1560/1570mm
車両重量:1590kg
乗車定員:5名
最小回転半径:5.4m
エンジン種類;水平対向4気筒DOHC
内径×行程:84.0×90.0mm
総排気量:1995cc
エンジン最高出力:107kW(145ps)/6000rpm
エンジン最大トルク:188Nm(19.2kgm)/4000rpm
燃料タンク容量:48L(無鉛レギュラー)
モーター形式/種類:MA1/交流同期電動機
モーター最高出力:10kW(13.6ps)
モーター最大トルク:65Nm(6.6kgm)
ミッション:CVT
燃料消費率(WLTCモード):15.8km/L
サスペンション(前/後):ストラット/ダブルウイッシュボーン
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:フロント&リア225/60R17
車両本体価格(税込):2,882,000円