FTXは流動性危機に見舞われ、最終的に破産申請に至ったが、それ以前はFTXはスポンサー活動を盛んに行っていたことで知られていた。この取引所が世界に放った光り輝くプロモーション活動の痕跡は、すぐには消えそうもない。

アブダビでは、11月に開催された「ガムボール3000」モーターラリーの参加者が、イベントのリストバンドと複数の車両にFTXのロゴがあることをソーシャルメディア上で指摘している。街中の広告も同様にFTXのロゴがあったという。FTXは、記事公開時点ではイベントのウェブサイトにスポンサーとして表示されていない。

2021年、今や悪名高い仮想通貨企業FTXは、NBAマイアミ・ヒートのスタジアムを2040年までFTXアリーナと改名する1億3500万ドルの契約を結んだ。FTXの破産申請を受けて、11月22日にマイアミ・デイド郡の当局が命名権契約の解除を求める申し立てを行った。この件に関する公聴会は12月16日に予定されているが、記事公開時点では、まだFTXのロゴがマイアミのスポーツ会場のあちこちにあり、ネット上で指摘されている。

FTXトークン(FTT)は仮想通貨ユーザーから見放されたかもしれないが、FTX破産は販促グッズの価値を高める可能性がある。FTXは、高級車ブランドのメルセデスが支援するF1国際レーシングチームのスポンサーを務めていた。一部のファンは、FTXが破産を申請したのと同時期に開催されたサンパウロ・グランプリで、メルセデスのマシンにFTXのロゴがなくなったことを報告し、チームのキャップにはまだ同社のブランドがあると指摘している。

FTXとスポーツチームやスポーツ組織とのパートナーシップには、国際クリケット評議会とのグローバル・パートナーシップ、メジャーリーグとの5年間の契約、バークレーにあるカル・メモリアル・スタジアム(現在のFTXフィールド)の命名権購入の10年契約などがある。これらのスポーツ組織は、FTXのサービスを宣伝しないよう、取引所のロゴの一部を撤去したと報告されているが、同社が撒き散らした宣伝の痕跡は、しばらくは完全に取り除かれないかもしれない。