中国で高齢のHIV感染者が増加している。中国メディアの39健康網が25日付で報じた。

中国性病エイズ予防コントロールセンターの統計によると、中国のHIV新規感染者の中で50歳以上が占める割合は2011年の22%から20年には44%に上昇した。広東省衛生健康委員会が20年に発表した報告書によると、最高齢の患者は90歳を超えていたという。

また、「中華流行病学雑誌」で発表された論文では、高齢(50歳以上)HIV感染者では男性が女性の約3倍に達しているとされ、「感染者は文化レベルが低く、農業従事者が中心で、異性間性交渉による感染が90.9%を占めている」と指摘されているという。

記事は「これまで高齢者の性について真剣に語られてこなかった。年齢と共に性機能は低下するが、高齢者に性的欲求がないわけではない」とし、「関連の調査によると、中国の60歳以上の高齢者もまだ性生活が存在する人が多く、男性では75.1%に上る」と指摘した。

その上で、高齢者のHIV感染が増加している背景として、「高齢者の性に対する適切なサポートがないこと」「HIVに関する認識および自己防衛意識が低いこと」「配偶者との死別などで老後に孤独に陥ること」を挙げ、各種対策の必要性を訴えた。

なお、記事は国連のデータを基に、世界の50歳以上のHIV感染者が15年の540万人から20年には810万人に増加していることを示し、世界でも同様の傾向にあると報じている。(翻訳・編集/北田)