日本が誇る四季折々の魅力に迫る季節の絶景特集。まだ知られざる四季折々の表情を見せてくれる日本の風景に改めて魅了されたという人も多いはず。

 今回は、北海道が誇る春の絶景・風物詩をピックアップ。

 日本の各地に息を呑むような素晴らしい景色が広がっています。これからの旅の参考にどうぞ!


◆五稜郭公園


五稜郭公園。北海道観光振興機構

 本州に比べて桜の開花が遅い北海道では、例年4月下旬以降が桜のハイシーズン。

 国の特別史跡に指定されている五稜郭跡(五稜郭公園)は星型の城郭がとても印象的。この五稜郭公園は桜スポットとしても有名だ。城郭に沿って約1,600本のソメイヨシノが咲き乱れる様子を散策したり、お堀の水面に映りこむ桜を眺めるのもおすすめ。シーズン終盤になると、堀の水面を埋め尽くす花びらは、何とも言えない風情がある。

「五稜郭タワー」に登れば、お堀を埋め尽くす桜が五稜郭の星型に沿ってピンク色に浮かび上がり、息を吞む美しさ。

例年の見ごろ:4月下旬〜5月上旬

五稜郭公園(ごりょうかくこうえん)

所在地 北海道函館市五稜郭町44
https://www.visit-hokkaido.jp/spot/detail_10034.html

◆礼文島


礼文島。北海道観光振興機構

 礼文島は、利尻島、礼文島、サロベツ原野の三つのエリアからなる日本最北の国立公園「利尻礼文サロベツ国立公園」の一つ。島の雄大な自然が育んだ花の種類は300種以上にもおよぶ。年間を通じて数多くの高山植物が咲くことから「花の島」と呼ばれ、春から秋にかけてさまざまな植物や野鳥たちを間近に楽しめる。

 特に代表的な花は、春にこの島にだけ咲く礼文島固有種の「レブンアツモリソウ」。開花時期にあわせて開園する「レブンアツモリソウ群生地」では、クリーム色のふっくらとした可憐な花を見ることができる。

例年の見ごろ:5月下旬〜6月中旬

礼文島(れぶんとう)

所在地 レブンアツモリソウ群生地
https://www.north-hokkaido.com/feature/detail_73.html

◆十勝岳連峰


十勝岳連峰。北海道観光振興機構

 十勝岳連峰は、大雪山国立公園の南西部に位置する十勝岳を主峰にして北東から南西へと美しく連なる山々。

 特に美瑛から十勝岳連峰を眺めるのがフォトジェニック。美瑛は、カラフルに彩られたパッチワーク風景が人気ですが、山頂付近に雪の残った十勝岳連峰や、うっすらとピンク色に咲き誇る桜との共演を楽しめるのは春だけ。農作業をするトラクターと十勝岳連峰を一緒に写真に収めることもできる。

例年の見ごろ:5月頃

十勝岳連峰(とかちだけれんぽう)

https://www.biei-hokkaido.jp/ja/fiveminutes/spring

◆石山緑地


石山緑地。北海道観光振興機構

 札幌市内の石山エリアにある「石山緑地」は、かつて建材に最適とされた札幌軟石の産出地で、その札幌軟石の巨大な石切り場跡を公園へと再生させたのがはじまりとされる。

 特に注目したいのは、切り立った岩肌の造形美が印象的な「南ブロック」。自然の石の造形とアート作品が融合し札幌軟石を使用したユニークなアートを創出する彫刻家集団CINQ(サンク)がデザインした南ブロックは、まるで異国にいるのような気分を味わうことができる。

 知られざる絶景として、北海道や札幌に何度か来たことがあるリピーターの方におすすめ。

石山緑地(いしやまりょくち)

所在地 札幌市南区石山78-24外
https://www.mit-ueki.com/ishiyama/

◆春の羊蹄山


春の羊蹄山。北海道観光振興機構

 日本百名山のひとつに数えられている羊蹄山。独立峰のその美しい姿は、蝦夷富士と呼ばれ親しまれている。

 羊蹄山のふもとにある公園やビュースポットから羊蹄山を見ると、残雪の羊蹄山と春の花木や、躍動感ある新緑の景色と一緒にカメラにおさめることができる。

 目の前に遮るものが無く羊蹄山が大きく広がる倶知安町の「八幡ビューポイントパーキング」は大迫力の羊蹄山を見ることが。写真を撮影したり、絵を描く人が多く集まるとっておきの絶景スポットになっている。

 羊蹄山そのものも美しいが、京極町の「ふきだし公園」や例年5月中旬から咲く倶知安町の「三島さんちの芝ざくら」など、羊蹄山を背景にすることで、春の絶景がより美しく映るのも魅力だ。

春の羊蹄山(はるのようていざん)

所在地 北海道倶知安町・京極町・喜茂別町・真狩村・ニセコ町
https://www.town.kutchan.hokkaido.jp/tourism/yoteizan/youteishiki/

◆天狗山


天狗山。

 小樽市街中心部から車で約15分の場所にある、標高532.4メートルの天狗山は、小樽のシンボル。山頂には「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン2009」に一つ星として掲載された展望台など、天狗山からの眺望を楽しめるさまざまな施設が整備されている。

 札幌の藻岩山、函館の函館山とともに「北海道三大夜景」と言われている夜景の名所としても有名。

 そんな天狗山に2021年、誕生したのが「TENGUU テラス」。天狗桜展望台に設置されたテラスから望む小樽の港と街は、まさに小樽の魅力を詰め込んだ天空の絶景。

 日中や夜の街並みと、青い空や海の絶景を、イスに座りながらゆったり眺めるのがおすすめ。ジップラインや熱気球など新しいアクティビティも体験してみて。

天狗山(てんぐやま)

所在地 北海道小樽市最上2-16-15
https://tenguyama.ckk.chuo-bus.co.jp/

◆滝川の菜の花畑


滝川の菜の花畑。

 北海道滝川市は、菜種(ナタネ)栽培が盛んで、日本有数の菜の花畑の作付面積を誇る場所。菜の花畑が点在しているのは、主に江部乙地区だ。

 5月中旬〜下旬に市内のあちこちで菜の花が咲き誇る様子は、まるで黄色い絨毯が一面に広がるようで圧巻の一言。

 暑寒別連山をバックにした満開の菜の花畑は、「北海道感動の瞬間(とき)100選」にも選ばれている風景となっている。

滝川の菜の花畑(たきかわのなのはなばたけ)

所在地 北海道滝川市江部乙地区
http://kankou-takikawa.jp/

◆浦臼神社


浦臼神社。

 札幌市・旭川市の二大都市のほぼ中間地点に位置する自然豊かな浦臼町。森の中に、ひっそりとたたずむのが、開拓期に落成した無人の神社、浦臼神社だ。

 山エゾリスや野鳥が生息し、地面一面に広がる青いエゾエンゴサクや赤紫色のカタクリの花の中にいる様子は、まるで絵本の世界。

 エゾリスは朝食の木の実を探しに境内にやって来るので、早朝に訪れるのがおすすめ。動物のいない時間帯でも、色鮮やかな花の絨毯や山ざくらと鳥居の風景は、一見の価値あり。

浦臼神社(うらうすじんじゃ)

所在地 北海道樺戸郡浦臼町黄臼内186-90
https://www.town.urausu.hokkaido.jp/kankou/spot/spot01.html

◆壮瞥公園


壮瞥公園。

 洞爺湖の南東側湖畔の高台にある壮瞥公園は、知る人ぞ知る梅の名所。

 洞爺湖畔を見下ろす側の斜面に梅林が広がり、5月中旬頃に淡いピンク色の花をほころばせる。梅の花の季節、羊蹄山はまだ残雪を冠した白い姿。梅林越しに、これらが同時に目に飛び込んでくるなんて、なんとも贅沢。

 視線を振れば、さらに昭和新山や有珠山までも見渡せる絶景が広がる。花のピークには、プロアマ問わず大勢のカメラマンが集まるというのも納得。

壮瞥公園(そうべつこうえん)

所在地 北海道有珠郡壮瞥町東湖畔
https://sobetsu-kanko.com/course/hanamidrive-hotspring

◆芝ざくら滝上公園


芝ざくら滝上公園。

 10万平方メートルにもわたる日本最大級の芝ざくらスポット。ミカン箱ひとつ分の苗からスタートしたという芝ざくらは、60年以上かけて日本最大級の大群落に。5月中旬から6月上旬までの約1カ月間、傾斜地一面に咲き続ける。

 日本一を誇る芝ざくらの大群落は、感動の一言。芝ざくらと澄みきった青空のコントラストはまさに絶景! 色の鮮やかさばかりでなく、周囲を甘い香りに包みこんでくれる。

 ピンク色の絨毯がどこまでの広がる景色は圧巻。

芝ざくら滝上公園(しばざくらたきのうえこうえん)

所在地 北海道紋別郡滝上町元町
http://takinoue.com/

※記載されている「見ごろ」は例年のものです。気候等により変動する場合がございます。
※施設の休業、イベントの中止・延期の可能性がございます。事前にご確認ください。

文=桐生奈奈子