「残り少ない学生生活を大切になさっている」

 4月から日本赤十字社へ就職される天皇家の長女・愛子さま(22)がさる20日、学習院大学の卒業式を迎えられた。門出の春となられたわけだが、その一方、皇嗣家では紀子妃がひたすら気をもまれており……。【前後編の前編】

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 式に先立ち、学習院大学は11日、今年度の卒業・修了者を発表。これをもって愛子さまは、晴れてご卒業が決まったのだった。

「14日に行われた侍従職の記者レクでは、ご卒業が決まったことで愛子さまがうれしく思われており、また両陛下も喜ばれているというお気持ちが紹介されました。ご学友と一緒の時間を過ごされるなど、残り少ない学生生活を大切になさっているご様子だとのことでした」(宮内庁担当記者)

 そのさなか愛子さまは、12日に大学のある目白キャンパスを訪れ、学習院女子高等科による「卒業演奏会」に参加されたという。

「今年の高等科卒業生だけでなく、コロナ禍で会が開けなかった年の卒業生も加わりました。愛子さまは合唱に出演され、両陛下もおしのびで舞台を鑑賞なさっていました」(同)

初めてとなるお一人での伊勢神宮参拝

 卒業式を終えられた愛子さまは、そのご奉告のため今月26日から1泊2日の日程で、皇祖神である天照大神を祭る伊勢神宮や、奈良の神武天皇陵を参拝された。

「皇族方はこれまで、ご卒業やご進学、ご成年などの節目をはじめ、折々に伊勢神宮を参拝なさってきました。愛子さまも学習院女子中等科時代の2014年7月、両陛下とともに参拝されていますが、お一人でのお参りは今回が初めてとなります」(同)

 21年12月にはご成年を迎えられているのだが、さる宮内庁関係者によれば、

「長引くコロナ禍の影響で、伊勢ご参拝は延期せざるを得ませんでした。当時、陛下は感染状況に関して極めて慎重なご姿勢であられ、ご自身の公務をはじめ、愛子さまのご参拝についても、大勢の人が詰めかけることで万が一にも感染が広がってはならないと、大いに懸念なさっていたのです」

 コロナ禍にあって中断を余儀なくされていた皇室のご活動が本格的に再開したのは、両陛下が国体開会式ご出席のため栃木県に行幸啓された22年10月1日のことだった。

「これを受け、愛子さまのご参拝も実現するかと思われましたが、陛下のお考えもあって当時は見合わせられることとなりました。侍従職は22年11月、その理由について『必ずしもコロナの影響ではない』としつつ、かつて黒田清子さんが成年の年に参拝しなかったケースを挙げながら『陛下は“成年を機に”というお考えではない』と説明していたのです」(前出記者)

「フライング」と報じられ…

 それがようやく実現し、ご同慶の至りであるのだが、伊勢神宮では秋篠宮家の長男・悠仁さまのご参拝が“波紋”を呼んだ経緯があった。先の記者が続けて、

「ちょうど両陛下が国体開会式に出席された当日、悠仁さまが高校の秋休みを利用され、“私的ご旅行”として伊勢をご訪問、お一人で神宮にも参拝されました。皇室では、ご身位の高い方が大事な行事に臨まれる際、他の皇族方は同じタイミングでご自身に関わる行事を重ねないという暗黙のしきたりがあるのですが、この時は、慣例を打ち破る形で完全にバッティングしてしまった。時期的にも、愛子さまがご成年の奉告を済ませておられなかったため、『フライング』『割り込み』などと報じられてしまったのです」

 秋篠宮家では、眞子さんも成年から1カ月後、佳子さまも2カ月後に単独で伊勢ご参拝を果たされている。これは秋篠宮さまご自身のお考えに基づいているといい、実際に、

「一昨年のお誕生日会見で秋篠宮さまは、悠仁さまの教育方針について言及され、『日本は各地にさまざまな文化があり、若いうちに実際にその場所を訪ねて直に触れることは将来的にも非常に大事なこと』と述べられていました」(同)

 ところが、こうした試みがあらぬ批判を招いてしまったわけである。

「私たちは一生懸命務めているのに…」

 秋篠宮家の事情を知る関係者が明かす。

「眞子さんの結婚問題で秋篠宮家への風当たりが強まり、21年秋に小室圭さんとともに米国に移住した後も、世間のバッシングはやみませんでした。悠仁さまのご参拝だけでなく、昨年も佳子さまのお一人暮らしに関する対応が物議を醸しましたが、そうした批判に対し、とりわけ紀子さまは『私たちは一生懸命務めているのに、なぜ国民の皆さんには思いが伝わらないのでしょうか』などと、お嘆きを繰り返されていました」

 そのお気持ちは、現在もなおわだかまっているといい、

「年明けに公表されたご体調の不良も、ひとえにストレスを抱え込まれた結果だと思われます。佳子さまの『別居問題』に加え、昨秋には悠仁さまの執筆された『トンボ論文』が公になり、“なぜ高校生がこのような論文を書く必要があるのか”“東大入試を見越したアピールではないか”といった批判が沸き起こりました。眞子さんの問題が長引いたことよりも、他ならぬ将来のお世継ぎである悠仁さまが国民から疑念の目を向けられるような状況が、紀子さまにとってはこの上なくお辛いものでした」(同)

 後編では、紀子さまのご体調不良の背景について、詳しく報じる。

「週刊新潮」2024年3月28日号 掲載