「阪神0−1巨人」(24日、甲子園球場)

 巨人の先発・戸郷翔征投手がノーヒットノーランの快挙を達成した。巨人の投手が甲子園の阪神戦でノーヒットノーランを達成するのは1936年の沢村栄治以来、88年ぶりとなった。

 試合は序盤から投手戦の様相。戸郷は初回、近本、中野、森下と続く阪神の上位打線を3人で抑えると、直球と宝刀・フォークを軸に的を絞らせない投球。三回、二死から及川が投手前のボテボテのゴロを放ち、一塁はセーフの判定だったが、戸郷の送球エラーが記録された。

 五回は先頭・糸原の打球もわずかにイレギュラーする微妙な打球となったが、記録は一塁・岡本和の失策。それでも、前川を遊飛に抑えると、坂本を三ゴロ併殺に斬って取った。九回は先頭への四球からピンチを招いたが、近本、中野を打ち取った。

 今季、チームは甲子園で2敗(1分)と苦戦しているが、戸郷は登板前から「甲子園は好き。阪神も苦手意識が普通の人よりはない。結構、投げているから」と話していた。言葉通りに同球場での通算は12試合で6勝3敗、防御率3・23。「何とか勝ちを付けます」と力強く誓っていた。

 ノーヒットノーランはセ・リーグ45度目(42人目)。巨人の投手がノーヒットノーランを達成するのは2018年7月27日、山口俊以来、6年ぶり。阪神が食らうのは19年9月14日、中日・大野雄大以来、5年ぶり7度目となった。