「オープン戦、中日4−1阪神」(25日、Agreスタジアム北谷)

 阪神新助っ人のハビー・ゲラ投手(28)=前レイズ=が鮮烈デビューを飾った。初の実戦登板を1回無安打無失点、最速153キロも計測。デイリースポーツ評論家の井川慶氏も「十分に期待できる内容」と絶賛だ。

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 初めてゲラ投手の投球を生で見ましたが、この時期に、150キロを超える力強いボールを投げられていたことが一番でしょう。コントロールもバラバラではなく、ある程度のコースに投げられていてまとまっていた。フォームを見ても変な癖がなくて、効率良く体の開きとかもなく、きれいに投げていた印象です。

 木下選手を空振り三振に仕留めたスライダーも、いいところに決まっていました。相手からすれば初見のボールではありましたが、それを差し引いてもいいボールだったなと。変化球で言うと、元々、スライダーとシンカーを操る中で、来日直後にはチェンジアップやスプリットの習得に、意欲を見せていたと聞きました。もちろん縦の変化となるいずれかを投げられる方が、より空振りを奪いやすくなり、投球の上で楽にはなるとは思います。

 今後の実戦の中でも、どんどん試していけばいいですが、仮にその結果、思うようにいかずに使いにくいとなっても、それまでやってきたことを出すだけのこと。その場合、いかに真っすぐで押し込んでいけるかがポイントとなりますが、この日の印象では十分に押し込んでいけるだけのボールでしたし、球種が増えなかったとしても、やっていけるのではと感じました。真っすぐの強さは間違いないでしょう。

 一塁への巧みなけん制については見事ではありましたが、それだけにシーズン中に取っておいても良かったかもしれない。ただ、そういった部分も含めて、今後、十分に期待できる内容だったと思います。