平愛梨(写真:アフロ)

 ドジャースの大谷翔平選手の結婚でにわかに注目が集まった“海外駐在妻”。海外で活躍する日本人スポーツ選手の妻と言えば、自己プロデュースが上手な元女子アナが多いイメージだが、タレントやスポーツ選手、はたまた幼なじみなど、その顔触れはさまざま。中でも個性を放っているのが、日本代表復帰で話題のサッカー選手・長友佑都と2017年に結婚し、4児の子育て中の平愛梨(39)だろう。

 タレント時代の平について、週刊誌の芸能担当記者はこう語る。

「平さんは女優として浦沢直樹の人気漫画を実写化した映画『20世紀少年』でヒロインのカンナを演じるなどして評価を得た一方、バラエティーでは超ド天然な性格をさらけ出して、たびたび話題を振りまいてきました。所ジョージさんのバラエティー番組『笑ってコラえて!』に出演した際は『ロケに行きたくない』と大号泣、現場を混乱に陥れ、『仕事なめてる』などSNSで集中砲火を浴びたこともありました。芸能界の内部でも平の奔放ぶりは有名だったらしく、『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』で、不安を理由に家族をロケに連れてきたり、収録中にもかかわらず小さい虫が気にして視線を宙にさまよわせていたというエピソードを岡村さんが明かしてたこともありました」

婚約発表の会見後、フォトセッションに応じる長友佑都と平愛梨

■長友も認める「メンタルモンスター」

 2017年に長友選手と結婚した後は芸能活動を休止し、移籍続きの夫に随行して長らく海外暮らしを送ることになった平。21年に長友選手がFC東京に復帰するまで、5年半の海外駐在生活を送った。

「イタリア、トルコ、フランスと長友の移籍により複数の国で暮らした平さんは、言葉もわからない異国の地で妊娠・出産しました。子どもたちのことをSNSでつづる際は、それぞれの誕生国での『赤ちゃん』を意味する言葉を使用しているのは有名な話です。出産の際も言葉が分からないので、陣痛の痛みに耐えながらスマホの翻訳アプリを駆使して医療者とコミュニケーションを取っていたと語っていたこともありました」(前出の記者)

 家族がいないとロケにも行けなかった天然ぶりはどこへやら……。海外生活をへてたくましい女性へと成長をみせたようだ。

「長友も平のポジティブぶりを“メンタルモンスター”と呼ぶほど。キャリアに陰りを見せていた時期にも、妻のポジティブさに感化されたと語っています。36歳という日本代表最年長、かつ最多出場となる4大会W杯出場という偉業を成し遂げたことについても、長友は過去に『愛梨がいなければ、このW杯に行けなかった』と語っています」(スポーツ紙の記者)

子どもと一緒に観戦する平愛梨(写真:Abaca/アフロ)

■辻希美と共通する「炎上上等」

 平がそんな強心臓ぶりを発揮するようになったのは、長い芸能生活の影響があったようだ。

「平は14歳でデビューしてから23歳で『20世紀少年』のカンナ役を射止めるまで、10年近くも下積み生活を送ってきました。芸能界引退をかけて決死で挑んだ同作品のオーディションで評価は一変。その後、バラエティー番組で活躍し、長友との結婚とポジティブさを売りにして道を切り開いてきました。その裏には、『誰からも相手にされないのが一番悲しい』というマネージャーの教えがあるようです。プロとしてやっていくにはどんなベクトルでも関心を持たれることが重要だと、夫婦でテレビで出演したときに語っていました」(前出の週刊誌記者)

 一方、公開プロポーズに始まり、結婚後もSNSなどを通して私生活を公開してきた平・長友夫妻には、「さすがに痛い」「承認欲求の塊」などの批判が集まることもあった。

「系統としては、辻希美さんに似ていますね。辻さんもイケメンの夫を捕まえて、アツアツの生活を頻繁にブログやSNSで披露してたたかれまくりました。結婚当初はすぐ離婚するのではという見方もありましたが、誹謗(ひぼう)中傷などどこ吹く風で、アンチからもらったアクセス数でタレントパワーを稼ぎ、家庭は円満、子どもたちも立派に育ち、今ではすっかり“すてきなママタレ”になっています。10代から芸能界で培われたタフさが持ち前という点でも平さんと共通しています。“注目されてナンボ“という意識の強い平さんにとっては、夫婦のラブラブアピールも、セレブ感たっぷりの投稿も、注目されるためのツール。大きな反応が得られるのであれば、内容が批判であれ何であれ、大歓迎という感じなのでしょう」(同)

独身時代の平愛梨(写真:アフロ)

■デビュー当初はアーティスト志向

 芸能評論家の三杉武氏は平についてこう述べる。

「平さんはもともと、安室奈美恵さんに憧れてオーディション番組に応募し、グランプリに輝いて芸能界デビューを果たしています。デビュー当初はアーティストへの憧れもあったようです。バラエティーではキュートなルックスやお嬢様らしいおっとりとした語り口と、とっぴな言動とのギャップが受け、番組を盛り上げていました。結婚当初は、長友選手が好感度が高い人気アスリートである一方、平さんは“天然キャラ”のイメージがあり、2人の結婚生活を不安視する声もありましたが、今ではおしどり夫婦として広く認知されています。バラエティーの現場などでは柔らかい雰囲気で天真らんまんさが際立っていましたが、そうした明るさが夫である長友さんの活躍を支えているのかもしれません」

 大谷選手の妻である真美子夫人も常に注目の的となり、異国の地で大変な思いもあるだろう。いずれは、平のように“メンタルモンスター”ぶりを発揮して、大谷選手の活躍をしっかり支えてくれると期待したい。

(雛里美和)