4月12日、米国フロリダ州ウェリントンで、レソトとボツワナの子供たちを支援する慈善団体を支援するため、ロイヤル・サルート・ポロ・チャレンジに出席したヘンリー王子とメ―ガン妃(photo ロイター/アフロ)

 単身渡英を繰り返しているヘンリー王子(39)が、イギリス王室との”仲直り”を望んでいるという。ウィリアム皇太子(41)もキャサリン妃(42)も「子どもたちを連れての渡英」を提案するなど、歩み寄りの姿勢を見せる。だが、メ―ガンさん(42)だけは頑なだ。アメリカで新たなチャレンジを続けるメ―ガンさんは今、何を想っているのだろうか。

■「定期的に4人でイギリスに帰りたい」

 

 現在、米国・カリフォルニア州で暮らすヘンリー王子に、ウィリアム皇太子とキャサリン妃が「子どもたちを連れての渡英」を提案しているという。

 イギリス国内の複数のメディアの報道によると、ヘンリー王子は5月8日のインビクタスゲーム創立10周年記念礼拝のために渡英する計画がある。メ―ガンさんとの間に産まれたアーチー王子(4)とリリベット王女(2)に、いとこたちとの触れ合いやイギリス伝統行事を経験させたいという願いがあるからだ。

 例えば、3月末のイースター祭。英王室では、家族そろってご馳走を食べた後で、子どもたちはエッグハンティングに夢中になるのが恒例だった。そんな経験をぜひ我が子にも、と願うヘンリー王子は兄夫妻の言葉を受ける心づもりがあると考えられる。

 ヘンリー王子は、昨年5月のチャールズ国王(75)の戴冠式も、今年2月に国王ががんを公表した時も、単身で渡英。周囲に「もう一人旅をしたくない」とこぼしたと伝えらえている。イギリスに行けば、チャールズ国王がヘンリー王子一家への経済的支援を考え直してくれるかもしれないとも考えているとみられるが、「今後は、定期的に4人そろって渡英し、家族と会いたい」と繰り返しているという。そこには“仲直り”を願う気持ちがにじんでいる。

 だが、メーガンさんは頑なに賛成しないのだ。「自分はイギリスの人たちから好かれていないし、行けばまたブーイングを浴びる。しかも、カミラ王妃(75)やキャサリン妃には、コーテシー(丁寧なお辞儀)をしなくてはいけない」と考えているからだ。

 メ―ガンさんがそこまで頑なになるのは、王室時代に受けたひどい待遇に対して心からの謝罪がないと捉えているからに他ならない。自分がイギリスで批判の的になった時、王室は助けてくれなかった。故エリザベス女王がエドワード王子(60)の妻ソフィ妃(59)を相談役にすると提案したこともあるが、メーガンさんは「私にはハリーがいますから」ときっぱり断っている。「ソフィ妃ではなく、キャサリン妃こそ自分を助けるべきだ」と思っていたからだ。

 
2023年12月25日、イギリス・サンドリンガムにあるセント・メアリー・マグダラ教会でのクリスマス礼拝に出席した王室メンバー。左からキャサリン妃、シャーロット王女、ジョージ王子、ウィリアム皇太子、ルイ王子、エリザベス女王の曽孫のミア・ティンダルが到着。いとこたちがそろい、楽しい時間となった。この後、キャサリン妃は腹部手術のために入院。3月にがんにり患していることを公表した(photo AP/アフロ)

■王室離脱後にチャレンジ重ねるメ―ガンさん

 メーガンさんは王室離脱してから、多くのチャレンジを重ねている。だが、いずれも順調とは言えないのが現状だ。

 21年6月、自ら絵本「ザ・ベンチ」を執筆し、絵本作家デビューしたが、その後が続かない。Netflixのアニメ作品「パール」にディレクターとして参画したが、初期段階で制作中止に。2000万ドル(約28億円)で契約していた音楽配信大手「Spotify」からは23年6月に突然、契約解除され、同社CEOから「詐欺師」だと言われてしまった。自分の試みがうまく行かないのに対し、メ―ガンさんは「キャサリン妃はすることすべてが称賛される」と恨み事を言ったとされる。

 さらに、メ―ガンさんは一時、オバマ元大統領など有力政治家に接近。トランプ前大統領を暗に批判するとともに、アメリカ大統領を目指していることを否定しなかったとされる。現在、政治的言動は控えめだが、今年に入って新たな動きを見せた。

 今年3月、メ―ガンさんが新ライフスタイルブランド「アメリカン・リビエラ・オーチャ―ド」を立ち上げたのだ。インスタグラムのアカウントを開設し、すでに57万人以上のフォロワ―を獲得したそうだ。紙ナプキン、カトラリー、テーブルクロス、料理本など100を超える商品を販売する予定で、デイリー・エクスプレスは「彼女は自信にあふれ、ビジネスの成功を疑っていない」との専門家のコメントを紹介している。

 気がかりは、ここにヘンリー王子の姿が全くないことだ。メーガンさんが40歳の誕生日に発表した「女性のためのメンター制度」のイベントでは、王子は窓の外でジャグリングをして応援したが、今回はそんな動きがない。アメリカで希望に燃えて新たなチャレンジを続けているメ―ガンさんに対し、単身での帰英を繰り返しているヘンリー王子。最近になって、ヘンリー王子が自らの「居住国」をイギリスからアメリカに変更したことが確認されてはいるものの、アメリカで何かに挑戦することはない。メーガンさんには、ヘンリー王子が少々重たく感じられているのではないだろうか。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

*AERAオンライン限定記事