大竹しのぶ

 テレビでもたびたび仲むつまじい姿を見せる女優の大竹しのぶ(66)と明石家さんまの元夫妻。最近では、4月27日に21年ぶりに放送されたギャグドラマシリーズの最新作「心はロンリー 気持ちは『…』FINAL」(フジテレビ系)での共演が話題となった。

 放送に先立ち、大竹は「あの『心はロンリー』をまた作ることができるなんて、さんまさんは本当に幸せだろうなと思いました」とコメント。また、「たぶん皆さんが思っているより、かなり真剣です」と俳優としてのさんまをベタ褒めし、久々のドラマ出演をバックアップ。離婚して30年以上がたった今も“別れてもいい夫婦”をアピールした。

「放送では、取調室に2人きりとなり、丁々発止のやりとりを繰り広げました。しかも内容は陣内智則の持ちネタ『それ、ワシのことやないか!』を交えつつ、ドラマとは無関係のはずの娘・IMARUや長男の二千翔(にちか)の恋愛話など、プライベートでのエピソードをアドリブで暴露し合うというもの。2人のセリフの応酬には、『相性抜群』『さんまとしのぶのプライベートアドリブ合戦www爆笑不可避』などSNSも大盛り上がりでした」(スポーツ紙の芸能担当記者)

 一方、「心はロンリー」に先駆けて放送された「PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024」(フジテレビ系、4月13日放送)では、吉沢亮演じる主人公の母親役で出演した大竹。2022年に放送された同ドラマではがんで病死するという設定で、今回は回想シーンでの出演。大竹・吉沢の2人が醸し出す本当の親子のような空気感には多くの視聴者が魅了されたようで、SNSでは「大竹しのぶさんの声だけで泣ける」などの声が上がった。

1975年、NHKの朝ドラ「水色の時」のヒロインに抜擢された頃の大竹しのぶ

■おっとしたしゃべり方も演技?

 古くは映画「青春の門」シリーズや「麻雀放浪記」、「鉄道員(ぽっぽや)」、元夫の明石家さんまと共演したドラマ「男女7人夏物語」、そしてNHK大河ドラマだけでも「徳川家康」など8作品に出演するなど、大竹の代表作を挙げれば切りがない。ありとあらゆる役柄を演じ分け、憑依型女優・怪演女優とも呼ばれてきた。だが、彼女が手玉に取ってきたのは視聴者や観客の気持ちだけではない。

「大竹さんは平成の頃は週刊誌やワイドショーでもたびたび『魔性の女』として取り上げられていました。最初の結婚はテレビ局のディレクターでしたが、大恋愛の末の略奪愛でした。最初の夫の病死後、さんまさんと再婚しましたが、そのタイミングが初婚の相手が亡くなった翌年だったこともあり、闘病中にさんまさんと交際していたのではという疑惑が持ち上がりました。さらにさんまさんとの離婚後、演出家の野田秀樹氏と同棲生活に入るわけですが、そのときも、さんまさんとの婚姻期間中に交際が始まっていたのではと報じられました」(芸能ライター)

 1つのスキャンダルが即致命傷となりえる令和の芸能界と違い、おおらかだった昭和・平成初期の芸能界においても大竹しのぶは“別格”だった。

「ベテラン芸能評論家が、大竹さんのおっとりしたしゃべり方はすべて演技で、実際は頭も切れて洞察力もあるタイプだと彼女を発掘したマネージャーの言葉を紹介していました。ある有名監督は大竹さんについて『狙った男は逃さない、激しい性格の女性』と称していたようですが、好きになった男性にはわき目も振らずアプローチするんだとか。それが略奪愛だと言われようが自分の気持ちに正直に生きる、生粋の“女優”ということのようです」(同)

大竹しのぶ

■還暦パーティーには元夫や元カレも

 大竹は恋多き女であるだけでなく、いい意味での“人たらし”でもあるようだ。

「17歳でベッドシーンに挑戦した『青春の門』では、昭和の名監督・浦山桐郎に女優としての手ほどきを受け、役者やスタッフへの接し方を学んだとか。そのせいか、奔放なイメージにもかかわらず現場からは好意的に受け止められています。共演者・スタッフはもちろん、過去の男性との仲も良好なのは有名です。2015年に還暦を迎えた際は、『大竹しのぶと60人の男たち』と銘打って、付き合いのある男性60人を招いた誕生パーティーを開きました。その中にはさんまさんや野田氏も参加していたんです」(同)

 同じ7月生まれのさんまとは、毎年合同で誕生日パーティーを開き、家族で祝っているという。大竹がSNSに投稿した写真には、離婚した夫婦とは思えないほどの和やかな雰囲気が漂っているが、別れた男性のケアも欠かさないところが普通の「魔性」とは一味違うところだろうか。

 芸能評論家の三杉武氏は大竹しのぶについてこう評する。

「大竹しのぶさんに関しては『台本は一度目を通したら忘れない』『結核の患者を演じていたら実際に血を吐いた』といった名女優ならではの伝説が業界内でも知れ渡っています。以前にテレビ番組に出演した際、共演者からそれらの真偽を尋ねられて、血を吐いたエピソードについてはあっさりと認めていて驚きました。台本に関しても『覚える時は写真みたいな感じで覚えちゃう』と話していました。1979年の第2回日本アカデミー賞では最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞の同時受賞という快挙を達成するなど、若くして実力派として注目を集めました。年を重ねてからもドラマ、映画、舞台と途切れることなく芸能界の最前線で存在感を放ち続けており、息の長い活躍も含めて、名実ともに日本を代表する女優の一人と言えるでしょう」

 年齢も性別も飛び越え、どんな役にもなり切る怪演女優・大竹しのぶ。次はどんな顔を見せてくれるのか。

(雛里美和)