今季も16試合目となる「ニチレイレディス」終了後に第1回リランキングが行われる。そこで、約3分の1に当たる5試合終了時での暫定リランキングをチェックすると、早くも第1回リランキングをクリアできそうな選手が何人かいることが分かった。

優勝した臼井麗香はイチ抜け!

 16試合目となる「ニチレイレディス」終了後に行われる第1回リランキング。まだ5試合しか終了していないだけに、暫定リランキングを見ても大きな変動はない。それでも少なからず、選手の好不調を読み取ることはできる。

暫定リランキングで上位につける(左から)柏原明日架、河本結、脇元華 写真:Getty Images
暫定リランキングで上位につける(左から)柏原明日架、河本結、脇元華 写真:Getty Images

 第1回リランキング以降も出場するには30位以内に入っておきたい。昨年の30位は97.48ポイントを稼いでいただけに、100ポイント以上なら30位以内に入る確率は高い。

 現在そのラインをクリアしているのが、暫定リランキング1位の柏原明日架、2位の宮澤美咲、3位の藤田かれん、4位の河本結、5位の宋ガウン、6位の脇元華だ。

 その中で注目したいのが、「ヤマハレディースオープン葛城」で4位タイに入った河本だ。前週の「アクサレディス」で9位となり、調子を上げていたがその理由を次のように語る。

「目の前のことを全力でやる、悔いなく1日を生き切るというのが目標なんですが、以前からメンタルトレーナーの兼下真由子先生とやってきたこと、それとトレーニングのおかげでここまで調子が戻ってきました」

 昨季は前半戦で2試合しか予選通過できないほど絶不調だったが、ようやく復活してきた感は大きい。

 ただ、柏原、宮澤は昨季のメルセデス・ランキング51〜55位に与えられる今季前半戦の出場資格保持者であり、河本を含めたほかの選手はいずれもファイナルQTでトップ10入りしている。順当といえば順当な結果であり、むしろ目標はシード権獲得なので、暫定リランキングの順位を気にしている選手は少なかった。

 やはり、QTで失敗しながら推薦出場などで巻き返しを狙う選手がどこまで暫定リランキングを上げるかに注目したい。

 まずは、そのカテゴリーを一気に吹き飛ばし、最終戦までほぼ全試合の出場権を獲得したのが臼井麗香だ。QTランキングでは60位だったが、4戦目の「アクサレディス」で優勝。昨年の吉本ひかる、山内日菜子、神谷そらに続く下剋上を達成した。

 臼井ほどではないが、大逆転の可能性を秘めているのがQTランキング104位から暫定リランキング17位まで順位を上げている菅楓華。

 昨年のファイナルQTでは5位に入る実力を見せながら、スコア誤記で失格となった苦い経験を持つが、彼女にとって今季初戦となった「Vポイント×ENEOS」で7位タイに入り、改めて実力があることを証明した。推薦出場は残り6試合あるだけに、リランキング上位に入る可能性は十分ある。

 そのほか、QTランキング52位の荒川怜郁は暫定リランキング12位、同55位の渡邉彩香は14位につけている。渡邉はすでに4試合に出場しているだけに、今回の「ヤマハレディースオープン葛城」では54ホールの短縮競技になりながら、「4日間のポイントを獲得できたことは大きい」と語っていた。

 第1回リランキングまで残り11試合あるため、これからどのような選手が躍進するのか分からない。さらに5試合消化した「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」終了後に見てみると、面白い流れになっているのではないか。

山西英希