インフルエンサーとして若い世代のゴルファーから絶大な人気を誇るルイゴルフさんが、最新クラブから自分に合ったモデルを探す新連載。サポートしてくれるのはギアに精通したゴルフライターとしてさまざまなゴルフメディアで活躍する鶴原弘高さん。この連載では鶴原さん、ルイゴルフさんがアマチュア目線で最新クラブの選び方を紹介します。

悩みはチーピンが出てしまうこと

 インフルエンサーとして若い世代のゴルファーから絶大な人気を誇るルイゴルフ(大塚塁)さんが、最新クラブから自分に合ったモデルを探す連載企画をお届けします。サポートしてくれるのは、ギアに精通したゴルフライターとしてさまざまなゴルフメディアで活躍する鶴原弘高さん。この連載では、ツルさんこと鶴原さんとルイゴルフさんが、アマチュア目線で最新クラブの選び方を紹介します。

「パラダイム Ai SMOKE」について話す鶴原弘高さん(左)とルイゴルフさん(右)
「パラダイム Ai SMOKE」について話す鶴原弘高さん(左)とルイゴルフさん(右)

【鶴原さん】※以下【ツ】 さっそくですが、今使っているドライバーは何ですか?

【ルイゴルフさん】※以下【ル】 キャロウェイの「ローグST MAX D」を使っていたのですが、チーピンが出るようになってしまったので、少し前に「エピック フラッシュ サブゼロ トリプルダイヤモンド」にしました。シャフトは「ツアーAD VF6(S)」です。ロフト9度のヘッドですが調整機能を使って1度立てているので、実際のロフトは8度。ライ角はドローです。

【ツ】ドライバーの悩みは何ですか?

【ル】一番の悩みはチーピンが多くなってしまうことです。飛距離は230ヤードくらいなのですが、一度チーピンが出ると止まらなくなってしまいます。あとは打球が低くて、スピンが少ないことにも困っています。

【ツ】ウオーミングアップを見せてもらうと、ヘッドスピードは45、46メートル/秒くらいあって、ボールスピードも65メートル/秒以上出ています。この数字だと260、270ヤード飛ぶ可能性があります。キャロウェイのドライバーとなじみがあるようなので、今回はキャロウェイの新作「パラダイム Ai SMOKE」シリーズを打ってみましょう。

ミスをしても曲がり幅が少ない「Aiスマートフェース」

 そういうわけで、ルイゴルフさんは「パラダイム Ai SMOKE」シリーズのドライバーを試すことになりました。

【ツ】まずは「MAX」から打ってください。

【ル】打感がすごくいい。「エピックのサブゼロ」と比べてフェースが柔らかくて、食いつく感じがあります。

ミスショット時の曲がり幅が少ないことは好印象
ミスショット時の曲がり幅が少ないことは好印象

【ツ】ボールスピードが67メートル/秒出ていたので、かなり飛んでいます。

【ル】これはどういうタイプのヘッドですか?

【ツ】シリーズの中では最もスタンダードなヘッド。クセのない万人向きのヘッドです。ただし「パラダイム Ai SMOKE」はシリーズ全体としてロースピンタイプではあるので、スピン量は2000回転を切っていましたし、打ち出し角も低かったですね。

【ル】ミスヒットしたと思っても、曲がり幅が少なかったですね。

【ツ】それが「Ai SMOKE」の特徴です。Aiスマートフェースの効果によって打点が上下左右にズレたときでも、フェースのたわみが曲がり幅を抑えてくれる設計になっています。

【ル】飛距離も250ヤードを超えていました。

【ツ】気になるのは打ち出し角が11度でスピン量も2000回転より少なかったことです。もっと高さが出れば飛距離は伸びるはずです。

ロフト角を2度プラス!?「MAX D」はつかまりがよく、高さも出る

 鶴原さんから「次は『MAX D』を試してみましょう」と声をかけられたルイゴルフさんは、クラブを持ち換えて、振り抜きました。

【ル】これはヘッドが大きく見えて、やさしい印象です。でも打つとモッサリ感があって、ヘッドが走らない感覚がありました。

自分のスイングに合ったギア調整が大切
自分のスイングに合ったギア調整が大切

【ツ】「MAX D」はドローバイアス設計になっていて、つかまりが良く「MAX」より高さも出ます。スライサー向けのモデルなのですが、思ったほど最高到達点が高くならなかったですね。調整機能を使ってみましょう。

【ル】自分のドライバーだと「マイナス1度のドロー」にしていたのですが。

【ツ】はっきり言うとその調整は真逆です。ルイゴルフさんの弾道だとロフトは2度くらい寝かせても良いでしょう。取りあえず「MAX D」の10.5度をプラス2度にして12.5度にしてみましょう。

【ル】これはかなり良い感じで上がりましたね。あの高さが出ればコースで安心できます。

【ツ】打ち出し角がようやく13、14度くらいになって、スピン量も2000〜2200回転になってきました。この設定でもう一度「MAX」も打ってみましょう。

【ル】打ちやすい。振った感覚は「MAX D」よりも「MAX」の方がヘッドがシャープに動いてくれます。「MAX D」は構えたときに大きく見えすぎるのが気になりました。

寛容性も高くなった「トリプルダイヤモンド」

 2種類を打ち比べて、ルイゴルフさんは「MAX D」を気に入ったようですが、試打はまだ続きます。

【鶴原さん】※以下【ツ】 では、最後に「トリプルダイヤモンド」を打ってみましょう。

多くのプロゴルファーが使っているため、難しそうな印象がある「トリプルダイヤモンド」
多くのプロゴルファーが使っているため、難しそうな印象がある「トリプルダイヤモンド」

【ルイゴルフさん】※以下【ル】  構えたときの顔は一番好きだし、思ったほど難しくないですね。

【ツ】プロゴルファーが使っているヘッドですが、実は今年の「トリプルダイヤモンド」は歴代モデルに比べると寛容性が高いです。

【ル】何球かトゥ側に当たって「まずい!」と思った打球がストレートに飛んでくれました。ヘッドが小さいのにやさしいのはなぜですか?

【ツ】今回のAiスマートフェースはリアルなゴルファー25万人分のデータをインプットしていて、「トリプルダイヤモンド」はアスリートゴルファー向けモデルです。そのためアスリートゴルファーのミス傾向に応じてフェースがたわんでくれて、打ち出す方向やスピン量を調整しているのです。

【ル】最近のテクノロジーはすごいですね。

【ツ】ロフトをプラス2度にして打ち出し角も15度前後になりましたから、ルイゴルフ君にはトリプルダイヤモンドが一番合っていると思います。

【ル】ヘッドサイズが大きく見えた「MAX D」よりも、ヘッドが小さい「トリプルダイヤモンド」の方が自分のスイングで高さを出せる感覚がありました。

【ツ】ヘッドが深重心の「MAX D」の方が打球は上がるはずなのですが、スイングタイプによってはそういう声もあると思います。

【ル】ちなみに「MAX FAST」は打っていませんが…。

【ツ】「MAX FAST」はヘッドスピードが35〜40メートル/秒の日本人ゴルファーにはすごくマッチすると思いますが、ヘッドスピード45メートル/秒以上のルイゴルフさんにはマッチしないと思います。

【ル】実はウオーミングアップのときに数球だけ打ちましたが、シャフトが軽くて、チーピンしか出ませんでした(笑)。でも軽く打ったときはビックリするくらい楽に飛んでくれました。

「トリプルダイヤモンド」のロフト角2度プラスがベスト!

 キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE」シリーズの試打を終えて、2人の感想です。

「パラダイム Ai SMOKE」シリーズについて話すルイゴルフさん(左)と鶴原弘高さん(右)
「パラダイム Ai SMOKE」シリーズについて話すルイゴルフさん(左)と鶴原弘高さん(右)

【ル】4つのヘッドは思った以上に個性があって弾道が全然違うことに驚きました。その中でも、弾道データも自分の感覚でも「トリプルダイヤモンド」が一番良かったです。

 ドライバーは少し右に打ち出してから、左に軽くドローする球筋をイメージしているのですが「トリプルダイヤモンド」はイメージ通りの打球が打ちやすかったです。ミスヒットしたときの曲がり幅が思っていた以上に少ないことも気に入りました。

【ツ】キャロウェイの「パラダイム Ai SMOKE」はモデル別のターゲットがはっきりわかれているので選びやすいと思います。ルイゴルフさんのようにヘッドスピード45メートル/秒前後でドライバーで自分の打ちたい球がしっかりイメージできている場合は、操作性が良い「トリプルダイヤモンド」と相性が良いでしょう。

 ただし、気をつけないといけないのはかなりスピン量が少ないということ。ヘッドスピードが速くても打球が低いゴルファーの場合は、調整機能を使ってロフトを増やすなどの工夫が必要です。第2候補としては「MAX」のヘッドでウエートポジションをフェード寄りにするのもアリだと思いました。

鶴原弘高 (つるはら・ひろたか)

大阪府出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフクラブ関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。ギア好きゴルファーの会員制コミュニティーサイト「3up CLUB」では、配信される動画のキャスター兼編集長を務めている。

ルイゴルフ(大塚塁/おおつか・るい)

愛知県出身。レッスン動画で若年層ゴルファーの支持を得る動画クリエイター。168のスコアからたった50日で100切りを達成したノウハウを伝えるインスタグラムのフォロワーは約6.5万人。現在は20代ゴルフコンペの企画運営などを行っている。

【取材協力】フライトスコープジャパン

「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボール
「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボール

今回の取材はフライトスコープジャパン本社内のパフォーマンススタジオをお借りし、「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボールを用いて計測を行いました。

野中真一