グリーンの速さに比べると、硬さを気にする人はあまり多くありません。グリーンの硬さは、プレーにどのような影響を及ぼすのでしょうか。

硬いグリーンは止まらないから注意が必要

 グリーンの指標で速さを気にしている人は多くいますが、グリーン面の硬さまで気にしている人はあまり多くないようです。実際に、スティンプメーターという装置を使用し、速さを計測しているゴルフ場は多くありますが、硬さまで表示しているゴルフ場は少ない傾向にあります。

軟らかいグリーンは、ボールマークが大きく深くなる
軟らかいグリーンは、ボールマークが大きく深くなる

 グリーンの硬さ(コンパクション)はコンパクションメーターという器具で測定され、一般的なゴルフ場は10〜11kg/cm2、プロのトーナメントが開かれるようなゴルフ場では12〜14kg/cm2に設定されています。以前は指数硬度目盛という単位が使われていて、10kg/cm2は23、12kg/cm2が24に相当し、今でもこの指数を使っているゴルフ場もあります。

 ではグリーンの硬さは、実際にはプレーにどのような影響があるのでしょうか。現役のシニアツアープロでゴルフスクールも経営している梶川武志プロに聞いてみました。

「アイアンショットやアプローチの場合、グリーンが硬いとプレーはとても難しくなり、速さよりも気をつかいます。グリーンが速くても硬さがない場合、スピンが効きやすくなるのでボールは止まりますが、硬い場合はボールが跳ねてしまうからです」

「私は160〜170ヤードの場合6番アイアンを使用しますが、通常はグリーン上で止まるボールがグリーンが硬い場合は止まらないので、グリーン手前に落とすなどの工夫が必要になります。同じようにアプローチも止まらずに転がってしまうので、通常より高い球を打つよう意識しなければなりません」

「硬いけれどもグリーンの速さがそうでもないときは、まだいろいろと対処法がありますが、硬くて速い場合は本当に難しいので苦労します」

「また硬さはグリーンの場所によっても違うことが多いです。たとえば、花道に近いところは人が歩くので硬くなりやすいですが、真ん中辺りはそうでもないということがあるので、特に注意をしています」

ボールマークでグリーンの硬さがわかる

 グリーンの硬さの表示がないゴルフ場も多いですが、その場合どのように把握すればいいのか、梶川プロは次のようにアドバイスしています。

「自分や他人がつけたグリーン上のボールマーク(ボールがグリーンに落ちたときにできるヘコみ。ピッチマークともいう)を確認すると、グリーンの硬さの見当がつきます」

「ボールマークが多いコースは軟らかいグリーンですし、あまり見かけない場合は硬い、と判断していいでしょう。またボールマークが大きく深い場合は軟らかなグリーンで、少ししかヘコんでいないときは硬めのグリーンだと判断できます」

「自分のボールマークを修復するのは当然のマナーですが、他人のボールマークも直すといいと思います。その時にグリーンフォークが入りやすいかどうかで硬さがわかります。グリーンが硬い場合はフォークは入りづらく、ヘコみをなくすためにフォークを中央に寄せる作業も力が必要です」

「最初のホールで確認をしておくと、その後のホールも同様な硬さという予測ができます。距離があるショットの場合は直接グリーンに乗せずに、手前から攻めるという選択肢を選べますよね」

「プロはこのような方法を取りますが、アマチュアが一般のゴルフ場でプレーするときは、そこまで過敏になる必要はないと思います。ただ、グリーンの硬さを知っておくと、『ボールがグリーンで跳ねやすいので注意が必要』という認識ができるので、スコアメイクに役立ちます」

 普段のラウンドでグリーンの硬さを意識するだけでも、スコアに良い影響があるようです。今後はグリーンの速さだけでなく、硬さもチェックしてみてはいかがでしょうか。

ピーコックブルー