アマチュアゴルファーが大叩きする要因のひとつがバンカーショット。一発で脱出できず、2打、3打と叩いたり、大ホームランを打ってしまった経験がある人は多いはずです。バンカーからピンそばにピタリとつけるにはどんな点に気を付ければいいのか。ツアープレーヤーの片山純一プロにコツを聞きました。今回のテーマは「硬い砂のバンカーショット」。

20〜30ヤードのアプローチ感覚でアドレス

 バンカーショットはスタンスを広げて腰を落とし、砂に向かってヘッドをドンと入れる――。こんなイメージを持っている人は多いと思います。

 しかし、砂が硬いバンカーはこのスイングだとうまく脱出できません。砂を爆発させようとしても、ヘッドが硬い砂に弾かれてしまうのです。

砂の硬いバンカーでは、打ち込むスイングはNG。スタンスを狭くして手元と重心を高くセット。砂を薄く取るのが成功の秘訣
砂の硬いバンカーでは、打ち込むスイングはNG。スタンスを狭くして手元と重心を高くセット。砂を薄く取るのが成功の秘訣

 砂が硬い状況では、スタンスを狭めにするのがベター。20〜30ヤードのアプローチを打つ時のスタンス幅で構えましょう。

 そして、クラブを吊るようなイメージで手元を高めに設定。ソールのヒール側をちょっと浮かすくらいの気持ちでクラブを握ってください。フェースは開かずにスクエアのままでOKです。

 このアドレスを作ると、ヘッドと砂の接地面が減り砂の抵抗を受けずにサラッとボールを拾いやすくなります。

コックを使わず、手首を伸ばしたままでスイング

 スイング中の注意点は、ヘッドを高く上げないこと。コックを使ってヘッドを持ち上げると、入射角が鋭角になってヘッドが硬い砂に弾かれやすくなります。

硬い砂のバンカーでは、手元を低く動かすこと。コックを使わず、パターのストロークのように手首を伸ばしてスイングする
硬い砂のバンカーでは、手元を低く動かすこと。コックを使わず、パターのストロークのように手首を伸ばしてスイングする

 硬い砂のバンカーでは、パターのストロークのように手首を伸ばしたままスイングするようにしましょう。手元が浮きにくくなり、低い位置から低い位置へヘッドを動かしやすくなります。

 このヘッド軌道なら、砂を薄く取ることができ、ボールをクリーンに飛ばせます。

「フェースを開かず、ヘッドを高く上げないスイングで球が上がるの?」と思う人がいるかもしれません。でも安心してください、ロフトがついているサンドウェッジならフェースを開かなくてもしっかり球が上がりますよ。

取材協力:山田ゴルフ倶楽部(千葉県)

【レッスン】片山 純一(かたやま・じゅんいち)

片山 純一(かたやま・じゅんいち)
片山 純一(かたやま・じゅんいち)

1989年生まれ、東京都出身。中央学院大卒業。国内ミニツアーで優勝経験有。出身校である日大一中高のゴルフ部のコーチも務める。現在はフィリピンツアーに挑戦しながら国内ツアーの出場権獲得を目指す。ツアープレーヤーとして活躍する傍ら、山田ゴルフ倶楽部(千葉県)・PGM石岡ゴルフクラブ(茨城県)でアマチュア向けにレッスンも行っている。 株式会社TOWA field所属。

小澤裕介