愛媛大地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)の大内智博准教授(46)=高圧地球科学=らの研究チームは、5日までに大地震後に起きる地殻変動のプロセス解明につながる実験に成功したと発表した。今後、正確なモデル化に結び付くと予想され、被災地復興への一助となる可能性がある。
 地震時にできたプレート破損部に地球内部のマントルが流入し、地震発生地の周辺では長期間にわたって地殻変動(余効変動)が起きる。大内准教授は「東日本大震災では沿岸部で約1メートル沈降し、5年後には最大で2メートルの隆起が起きた。船からの荷降ろしが困難になった港もあるなど、被災地復興の妨げになる」と説明する。
 これまでその原因は、地震直後にマントルの7〜8割を占める鉱物「カンラン石」が起こす「遷移クリープ現象」によるものだと推測されてきたが、再現実験では詳細な観察が技術的に困難で、証明できていなかった。