TOEIC満点の英語力を生かし、流ちょうな英語で訴訟に至った経緯を説明

 元セクシー女優で作家の澁谷果歩さんが18日、都内の日本外国特派員協会で行われた記者会見「アダルトビデオ(AV)業界における出演者の権利」に出席。会見は全編英語で、AV業界が抱える問題について訴えた。

 澁谷さんは2014年にAVデビュー。デビュー時には、元東京スポーツ記者の経歴が話題を呼んだ。18年のAV引退後も継続してタレント活動を行う傍ら、作家としても活躍している。23年には自身が過去出演したAV2作品について、市販されていない無修正の映像がインターネット動画サイトに投稿されていたとして、制作会社などに対し計740万円の損害賠償を求め東京地方裁判所に提訴していた。

「日本のポルノ法はタレントを保護するのに十分か」をテーマにしたこの日の会見では、TOEIC満点の英語力を生かし、流ちょうな英語で訴訟に至った経緯を説明。現役女優が業界から干されるのを恐れたり、引退後の元女優が身バレを恐れて泣き寝入りしがちな無修正動画の流出について、「私は引退前から絶対に訴えるぞと決めていた。誰かが動かないといけない」と覚悟を決めていたことを明かした。

 今回、通訳をつけず英語で会見に臨んだ理由については「会見のオファーをいただいて、私が英語で話せばより注目してもらえるかなと思ったのと、通訳を介さず自分の言葉で話したかったから。裁判や訴訟の話になると、日本ではとにかく堅く暗く扱われがちで、私自身、フェミニストのような見られ方をされて怖がられることが多かった。英語の方が明るく自分らしく、ときにジョークを交えながらざっくばらんに話せると思ったので」と意図を明かした。

 22年に施行されたいわゆるAV新法については、「私が業界をやめた後のことで、実際のところは分からない」と前置きしながらも、「AVについてグレーだった部分が、ちゃんと説明・契約をすれば法的に撮っても問題ないと認められたということ。それ自体は大きな一歩だったと思う」と受け止め。業界の今後については「AV視聴の場がネットに移り、環境は大きく変化しています。出演者を守るための仕組みも変えていかなければいけません。それでも、私はAV女優であったことに誇りを持っています。元女優の希望のような存在になれればと思います」と結んだ。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム