春の訪れとともに、関東近郊の山々は美しい花で彩られます。この記事では、「3月下旬からお花見が楽しめる関東近郊の山」を3つ紹介。

 初心者でも登りやすく、車がなくても訪れやすい場所を選んだので、春のハイキングを考えている人はぜひ参考にしてみてください! 都会の喧騒から離れ、自然の中で春らしい華やかな美しさを堪能しませんか?

●お花見が楽しめる関東近郊の山:弘法山

 神奈川県秦野市にある標高235mの「弘法山」は、丹沢山塊の南端に位置する山。浅間山と権現山、弘法山の3つの山一帯を含んで弘法山公園と呼ばれ、県立自然公園にも指定されています。春には公園内の1400本以上の桜が咲き誇り、桜の名所として毎年多くの人が訪れています。

 「吾妻山コース」は、初心者にも登りやすいハイキングコース。所要時間は約2時間10分ほどで、子どもでも歩きやすい道が続いています。途中、浅間山と権現山、弘法山、吾妻山を経由し、豊かな自然や心地良い空気を堪能することができます。

 晴れていれば富士山がきれいに見えるのもポイント。3〜4月の富士山はまだ雪解けが進んでいないため、雪をかぶった白色の富士山とピンク色の桜、という日本らしい景色が楽しめます。

 都心からのアクセスもよく、小田急線新宿駅から乗り換えなしで行ける「秦野駅」から徒歩20分ほどでアクセス可能。ハイキングの後は、鶴巻温泉で汗を流し、そのまま居酒屋でお酒を楽しむのもおすすめ。電車で訪れる山旅ならではの楽しみ方ができます。

●お花見が楽しめる関東近郊の山:たいら山

 山梨県中央市に位置する「たいら山」は標高934mの山。頂上にある山之神社の山道には1000本もの桜がずらりと植えられ「山の神千本桜」と呼ばれています。長く急な坂道をふもとから山頂へと順に咲き移り、見ごろは、例年3月中旬からです。

 「山の神千本桜コース」の所要時間は約4時間。登山道ではアーチのようにそびえる桜が見上げられます。頂上から八ヶ岳や南アルプスの山々を眺めることができる眺望の良さも魅力です。

 初心者でも気軽に歩くことはできますが、登山道は舗装されていないため、トレッキングシューズや防寒着、レインウェアなどを着用・携帯しましょう。

 アクセスは、車であれば中央道甲府南インターチェンジから国道140号、市道シルクライン経由で約15分。首都圏からは2時間ほどで訪れることができます。

●お花見が楽しめる関東近郊の山:丹沢・不動尻

 お花見は桜だけではありません。神奈川県の丹沢にある「不動尻」では、群生するミツマタのお花見が楽しめます。ミツマタは、3つに分かれた枝の先に黄色い花を咲かせる植物。丸く黄色い花が咲き、甘い香りが楽しめるのは3月中旬から。毎年楽しみにしているファンも多く、幻想的な雰囲気が楽しめます。

 都心からのアクセスも比較的容易です。小田急小田原線の本厚木駅や伊勢原駅から広沢寺温泉または広沢寺温泉入り口で下車し、そこから群生地までは徒歩1時間30分ほど。ハイキングコースは起伏が少なく、普段山に登らない人でも安心して楽しむことができます。

 不動尻だけじゃ物足りない、という人は、近くにそびえる大山や塔ノ岳などへの登山とあわせて楽しむのもおすすめ。大山阿夫利神社や富士山ビューなど、また違った美しい景色を楽しむことができます。