伊達市に出店が予定される「イオンモール」の開業が1年以上遅れる見通しであることがわかりました。遅れの背景にあるのが建設工事労働者の確保が難航しているからです。建設業界でいま、何が起きているのでしょうか。

「県内最大級」としての呼び声で地域社会の期待も大きい「イオンモール」の出店計画。本来は、ことし12月に伊達市堂ノ内地区にオープンする予定でしたが…。オープン予定日まで8カ月を切っているにもかかわらずその建設予定地は、まだ更地のまま。それというのも…。

■溝井貴美記者リポート

「商業施設の予定地では区画整理や道路の拡幅工事はほぼ終わっています。ただ労働者の確保が難しいことなどからオープンが遅れる見通しだということです」

伊達市などによりますと、イオンモール側から「オープンが2026年以降になる見込み」と説明があったというのです。開業の遅れの理由としてイオンモール側が市に説明したというのが建設工事に携わる労働者の確保が難航していることや建設資材の高騰です。実はいま、全国的に建設工事に携わる労働者が不足していると言われていて、いわばこの事態は、「建設業の2024年問題」。建設業界でいま、何が起きているのでしょうか。

■福島県建設業協会 相澤広志専務理事

「ひと昔前であれば厳しい工期の中でも土日も休まずに工事をしてと。最近の働き方改革の動きの強まりもあって、もうそんな無茶なことはできないという状況にありますよね」

話を聞いたのは福島県建設業協会の相澤広志さんです。建設業をめぐっては物流業と同じく、時間外労働などの規制が4月から強化されるようになりました。人繰りの点でも厳しい状況が続いているというのです。

■福島県建設業協会 相澤広志専務理事

「週休2日ということで工期を組むと公共工事でも民間工事でもそれなりに工期が延びてしまう、これは否めないと思います」

ただ、今回の規制の強化。目的は、働く人の健康を守ることや労働環境を改善することにあります。期待が大きい商業施設だからこそ、私たちも建設業を取り巻く労働環境に理解を深めることも必要です。

■福島県建設業協会 相澤広志専務理事

「どうしても「きつい」「汚い」など3Kという産業だというレッテルが未だに打ち破れないところがありますが、今回の働き方改革の規制を逆に業界を変えるチャンスだとも思っている」