一人で宿泊をする予定のホテルに、近くに住んでいる友人などが遊びに来ることもあるでしょう。この場合、シングル料金しか支払っていないにもかかわらず、友人も一緒にホテルに宿泊してしまうケースもあるかもしれません。   大丈夫なのではと追加の宿泊料金を支払わずに、そのまま一緒に泊まってしまいそうですが、実は法律違反となる可能性が高いです。   今回はこのようなケースで、該当する恐れがある違法行為について解説します。

シングルの部屋に二人以上の宿泊は違法とみなされる可能性あり

シングルの部屋の場合、支払った料金は一人分のみであるため、二人以上でホテルに宿泊することは詐欺罪や不法侵入に該当する恐れがあります。
 
詐欺罪に関して、刑法第246条に「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する」と記載があります。
 
なお、不法侵入は刑法第130条に「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにも関わらずこれらの場所から退去しなかったものは、三年以下の懲役または十万円以下の罰金に処する。」と記載があります。
 
したがって、一人分の料金しか支払わず他人を宿泊させた方には詐欺罪、宿泊をした方には不法侵入が該当すると考えられるでしょう。このような行為をすると、追加の宿泊料金を支払うことはもちろん、罰金も科されること可能性があるので注意が必要です。
 

友人を呼ぶときはまず宿泊するホテルの約款などをチェック

宿泊するホテルに友人を呼ぶ場合は、ホテルの約款を確認するかフロントに問い合わせをしましょう。規約はホテルごとに異なっており、ホテルによっては、室内に宿泊しなくても規約違反になることがあります。
 
例えば、宿泊客以外はホテルの敷地内(ロビーを除く)へ入場することや来館客と客室内で面会することを禁止にしているホテルもあります。規約を知らないまま違反した場合であっても、規約違反として扱われる可能性が高いです。
 
トラブルを防ぐためにも、ホテルへ宿泊する際は入場前にホテルの宿泊約款にしっかり目を通しておくと安心です。予約した宿泊人数を超えて入場したり、宿泊したりする場合は、まずはフロントへ報告したうえで従業員の指示に従いましょう。
 

宿泊前にホテルのルールを確認しよう

今回は一人で宿泊をする予定だったホテルに、友人が遊びに来て、一人分の料金しか支払っていないにもかかわらず、そのまま一緒に宿泊してしまったというケースでした。
 
一人分の宿泊料金で二人宿泊してしまった以上、法律違反と判断される可能性が高く、詐欺罪や不法侵入が該当し、懲役刑や罰金を科される恐れがあります。
 
予定の宿泊人数を超えてホテルへ入場をしたり、宿泊をしたりする際は、フロントへ報告を行ったほうがいいでしょう。必要に応じて追加料金を支払うなど、従業員の指示に従う必要があります。気づかないうちに約款違反をしてしまわないためにも、そのホテルのルールを事前に確認しておくことが大切です。
 

出典

デジタル庁 e−Gov法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法 第百三十条、 第二百四十六条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー