「退職して次の仕事に就くまでに期間が空いてしまうのだけど、1ヶ月であっても健康保険や年金に加入しなくてはならないの?」といった、退職に伴う社会保険の扱いについて悩む人もいるでしょう。健康保険や年金は、1ヶ月の空白期間であっても加入しなくてはなりません。   本記事では、退職した際の健康保険や年金の手続きについて解説します。退職後の社会保険の手続きをする際の参考にしてください。

次の仕事に就くまで間があく場合の健康保険

退職して次の仕事に就くまでがたった1ヶ月であっても、必ず健康保険に加入しなくてはなりません。しかし退職したあと、どのように健康保険の手続きをすればよいか分からず困ってしまう人もいるでしょう。
 
本項では、退職後次の仕事に就くまでの1ヶ月の間に加入できる健康保険の種類3つと、それぞれの手続き方法について解説します。

 

国民健康保険

国民健康保険とは、自営業・無職の方など、健康保険未加入の人すべてが加入できる健康保険です。退職後に国民健康保険に加入する際には、退職日の翌日から14日以内に居住地を管轄する役所で手続きします。なお、14日を過ぎても手続きはできるものの、保険料はさかのぼって支払わなくてはなりません。
 
国民健康保険の保険証の発行まで時間はかかるものの、すぐに保険証が必要な場合は証明書を発行してもらえます。新しい職場で保険証が発行されたら、国民健康保険の脱退手続きをしてください。

 

任意継続

任意継続とは、これまで勤めていた会社で加入していた保険に引き続き加入できる制度です。手続きをする際は、加入していた健康保険の保険者に対して行います。
 
これまで会社が負担してくれていた保険料も含めすべて自分で支払うため、保険料が高くなる恐れがあります。任意継続中に、国民健康保険に切り替えたり家族の扶養に入ったりすることはできません。

 

家族の被扶養者になる

家族が会社員や公務員等で扶養に入るのであれば、健康保険に加入できます。健康保険の被扶養者になるには以下の基準をクリアしていなくてはなりません。
 

・三親等以内の親族である
・被保険者によって生計を維持されている
・20歳以上60歳未満で年収が130万円未満かつ扶養者の年収の2分の1未満
・60歳以上または障害年金受給者で年収180万円未満かつ扶養者の年収の2分の1未満
・別居の場合は仕送り等の基準をクリアしている

 
被扶養者になる場合は、あらかじめ条件を確認しておきましょう。加入の際は、扶養者が加入する健康保険組合に尋ねてください。

 

次の仕事に就くまで間が空く場合の年金

退職して次の仕事まで1ヶ月空く場合も、必ず国民年金に切り替える必要があります。なお、これまで扶養していた60歳未満の配偶者がいる場合は、配偶者もあわせて国民年金に加入しなくてはなりません。そのほか、配偶者が第2号被保険者(厚生年金被保険者)であれば、扶養になることも可能です。
 
本項では、退職してから次の仕事に就くまでの年金の手続き方法について解説します。

 

国民年金

国民年金に切り替える場合は、居住地の役所や年金事務所等で手続きしましょう。退職日が分かる証明書・マイナンバーカード・年金手帳等に記載されている年金基礎番号の分かるものを所持し、退職から14日以内に手続きしてください。

 

家族の被扶養者になる

退職して第2号被保険者(厚生年金被保険者)の被扶養者になる場合は、第3号被保険者になる手続きをします。被扶養者となる条件は以下のとおりです。
 

・第2号被保険者に扶養されている配偶者
・20歳以上60歳未満で年収が130万円未満かつ配偶者の年収の2分の1未満

 
扶養されることになった日から14日以内に、必要書類をそろえて配偶者の会社で手続きしましょう。

 

次の仕事に就くのが1ヶ月先なら健康保険と年金に加入しなくてはならない

退職後、次の仕事に就くまでに1ヶ月の期間が空くなら、自分で健康保険や年金の切り替えをしなくてはなりません。いくつかある選択肢から、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
 
手続きは退職後14日以内にしなければならないものも多いため、早めに手続きするようにしてください。

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー