「若い世代が集い賑わうまち」を目指す川崎市が世界へ向けてストリートカルチャーやアーバンスポーツを含む様々な若者文化を発信するイベント「ISF KAWASAKI 2023」が開催され、11月26日(日)は神奈川県川崎市の「チッタエリア」にて、様々なストリートカルチャーやアーバンスポーツのコンテンツが実施された。

今年で6度目の開催となった「ISF KAWASAKI 2023」。長かったコロナ禍を経て、進化して戻ってきた昨年の第5回から早1年。今回のイベントで体感できるストリートカルチャーやアーバンスポーツの各コンテンツは昨年以上にグレードアップされており、イベント期間中終始観客や参加者たちを魅了した。

また当日は冬の訪れが近づいていることを感じさせる寒さで冷え込み、屋外会場では時折雨が吹きこんでは選手たちや一般のお客さんの身体を冷やしたが、それ以上に選手たちから湧き出る熱気や、DJによる音楽とMCの実況で盛り上がる会場がその寒さを吹き飛ばし、改めてストリートカルチャーとアーバンスポーツが街に与える溢れるほどのポジティブな力を肌で感じることができたイベントとなった。

以下は大盛況で終えたDay1(10月14日 ルフロン杯)、Day2(11月25日)を経て、本イベント内大注目コンテンツが行われたDay3の様子だ。

イベントの様子

ブレイキンの国際大会「SUPER BREAK」では韓国の「JINJO CREW」が優勝!

優勝したJINJO CREW ©ISF KAWASAKI 2023

ISF KAWASAKIにおいて毎年大注目のコンテンツである、日本発のブレイクダンス国際大会ブランド「SUPER BREAK」がCLUB CITTA’にて開催され、韓国のJINJO CREWが優勝に輝いた。

今年のSUPER BREAKは、3 ON 3 のCREWバトル形式で行われ、海外から7チーム、国内から1チームの招待枠に加えて、当日予選を勝ち上がった8チームによる、合計16チームで本戦のトーナメントが行われた。

海外の招待枠からは、アメリカの「RENEGADES ROCKERS」や、韓国の「JINJO CREW」などの名だたるCREWが来日。そして当日予選を勝ち上がったCREWも、日本を代表する京都の「BODY CARNIVAL」や世界大会3連覇の実績を持つ「THE Floorriorz」、北海道の若手CREW「AREA COMBINATION」などと、国内トップレベルの顔ぶれだ。
そして先日開催された「Battle Of The Year World Final 2023」にて優勝に輝いたロシアの「PREDATORZ CREW」も出場し、世界レベルのBBOY / BGIRLがCLUB CITTA’の会場で激戦を繰り広げた。

決勝戦は「JINJO CREW」vs「PREDATORZ CREW」JINJO CREW ©ISF KAWASAKI 2023

決勝戦は韓国の「JINJO CREW」とロシアの「PREDATORZ CREW」の対戦となり、8分間の制限時間の中で行われた決勝戦は、両者ともにヒートアップを極め、観客からも多くの歓声が飛び交った。

先行のJINJO CREWは、BBOY Veroのエネルギッシュなムーブ、BBOY ZOOTY ZOOTのハイレベルなパワームーブ、そしてBBOY WINGの長い手足を活かしたスタイリッシュかつダイナミックなムーブでバトルを展開していく。

対するPREDATORZ CREWも、BBOY DIASのスタイル全開のムーブを中心に、BBOY ARSXの細かくクリアなミュージカリティ、そしてBBOY SHAMILのトラッシュトークを交えた攻撃的なスタイルが印象的であった。時には至近距離で両CREWが睨み合うなど、国際大会らしい緊張感のあるバトルの雰囲気が作り上げられていた。

BBOY ARSX(PREDATORZ CREW) ©ISF KAWASAKI 2023

バトル後半では、PREDATORZ CREWのペットボトルの水がフロアにこぼれるなどのハプニングもあったが、両者ともに連戦の疲れを感じさせない完成度の高いムーブをラストラウンドまで踊り切り、世界最高レベルのバトルを締めくくった。

結果はJINJO CREWに軍配が上がり、大会初優勝。JINJO CREWのメンバーである、BBOY WINGは優勝直後のインタビューで「私はSUPER BREAKには過去に2回出場していて、直近の結果は2位でした。今回は優勝できたので、とてもいい思い出になったし、今はとても嬉しいです。」と、優勝した喜びをコメントに残した。

フリースタイルバスケットボール「BET」はKengoが優勝!

Kengo ©ISF KAWASAKI 2023

フリースタイルバスケットボールのバトル「BET」が今年も開催。オーディション形式の予選から、ピックアップされた8名によるトーナメントを勝ち上がり、決勝に勝ち上がったのは、Kengo(MONSTER BALLAZ)と前回大会覇者のYOH(REAL AKIBA JUNIORZ)。

3ラウンド制で行われた決勝戦では、先行のKengoが音楽に乗せて高難度の技をノーミスで決めていく。若干ミスが目立ったYOHに対して、Kengoは2ラウンド目以降も高いクオリティのムーブで会場を沸かせていく。3ラウンド目に流れた「Busta Rhymes – Break Ya Neck」では完璧な音ハメを見せて会場をロック。見事大会初優勝を果たした。

©ISF KAWASAKI 2023

ダブルダッチシーンの変革を匂わせた一戦「DOUBLE DUTCH ONE’S」

2本のロープの中を跳ぶダブルダッチの個人戦「DOUBLE DUTCH ONE’S」。回し手を固定することで個人スキルのみを純粋に競い合うこのイベントは、年間5回の予選を経て決勝大会「ONE’S FINAL」に出場する選手を選出し、男女別にシーズンでの優勝者を決める。

これまでの予選史上、過去一番の盛り上がりと言っても過言ではない白熱したバトルの連続に、オーディエンスも大熱狂。シーンの重鎮たちが不動の強さをアピールするような展開が続くなか、決勝戦で大波乱が起こった!

KO-YA ©ISF KAWASAKI 2023■WOMEN’S SECTION

決勝に駒を進めたのは、ダンサー出身という異色のバックグラウンドを持つ前回のシーズンチャンピオン・Elina Mizunoと、大学2年生ながらシーンにその名を轟かせる期待の若手・KOKORO。

KOKORO ©ISF KAWASAKI 2023

流れるように跳躍するElina Mizunoと、緩急を持たせパワフルにジャンプするKOKORO。WOMEN’Sシーンを牽引する両者の一戦は、3ラウンドに持ち込まれる甲乙付け難い大接戦に。

ジャッジも頭を悩ませるなか、優勝に輝いたのはKOKORO! ONE’S出場から3年、念願となる初めての“予選優勝”を果たし、涙ながらに優勝の喜びと感謝を伝える姿に多くの感動を呼んだ!

■MEN’S SECTION

決勝はREG☆STYLEのKO-YAと、Millennium Collectionのikkyon。プロチームの一員として最前線を駆け抜けるKO-YAと、その背中を追いかけて育ったikkyonという間柄。これまたシーンにその名を轟かせる2名のマッチアップが実現。

ikkyon ©ISF KAWASAKI 2023

HIPHOPを軸としたプレースタイルにおいても共通点を持つ両者。これまた見応え抜群の白熱した一戦となったが、見事優勝に輝き、FINALへの進出権を得たのはikkyon! 彼の所属する学生チーム「Millennium Collection」は先日の全国大会を勝ち抜き、12月に国際大会に出場することが決まっている。勢いづいたikkyonのこれからに注目だ!

この一日を総括すると、まさに”温故知新”という言葉がピッタリではないだろうか――。シーンを牽引するプレイヤーたちが不動の強さを見せつけるなかで、優勝に輝いた2人の期待の若手たち。

シーズン2回目となった今回の開催だが、今季は何か大きな地殻変動が起ころうとしているようにも感じる。しかし、この物語はまだ始まったばかり。これからどのような展開が待っているのか…。是非ともジャンプロープ最高峰の個人戦・DOUBLE DUTCH ONE’Sに、引き続きご注目いただきたい。

狭いスペースでスタイルを表現!「OCTAGON 1on1 Cypher」

BBOY Kai ©ISF KAWASAKI 2023

ブレイキン1on1 バトルコンテンツの「OCTAGON 1on1 Cypher」。
BRONXのレジェンドBboy Alien Nessが開発したバトル形式であり、狭いスペースの中でボディーコントロールを駆使し、どれだけBBOYとして表現できるのか、BBOYならではの発想とスキルが問われた。

そこで優勝に輝いたのは、BBOY Kai(Sweet Coast BreakBoys Club)。
カラーコーンとテープで囲まれた空間の中でもスキルやミュージカリティ、ムーブの中での遊び心も見せ、自身のスタイルで会場を盛り上げていた。

未来のスケートボーダーに光を当てる「XLARGE SKATE SESSION」

©ISF KAWASAKI 2023

L.A発のストリートブランド「XLARGE」が贈るスケートボードイベント。「未来のスケートボーダーに刺激と成長の機会を提供する特別な日」をコンセプトとした本イベントでは、「スクール」と「ベストトリックジャムセッション」を2部制で開催された。

スクールでは6歳以上の未来を担うキッズスケーターたちが、楽しさと安全性を重視した上で、世界で大活躍する山下京之助を含む豪華講師陣からアクションスポーツのエッセンスを直接学ぶといった貴重な時間に。

©ISF KAWASAKI 2023

そして、その後のベストトリックジャムセッションでは男女年齢関係無く、スキルとスタイルに自信のあるスケーターたちが集まり、持ち技を披露してジャッジや観衆を魅了した。このセッションには佐川海斗や西宮ジョシュアなどの国内外で活躍する人気スケーターたちも飛び入りで参加し会場を盛り上げ、まさに未来のスケートボーダーに刺激と成長の機会を提供する特別な1日となった。

ランニングバイク「ROCK’S CUP」ではキッズたちの小さな身体に秘めた熱い闘志が激突

©ISF KAWASAKI 2023

今回は2歳から4歳までの未就学児童を対象としたランニングバイク(ペダルなし自転車)によるレースイベントが開催された。年齢別のカテゴリーにて、チネチッタ通りの石畳の上に設けられたミニコーンとコーンバーでレイアウトした1周約120mのコースをキッズたちがスタートから全力疾走し順位を競いあった。

各々自分好みにカスタマイズされたランニングバイクと、一こだわりのギアを身にまといコースを見つめる姿はもうアスリートそのもの。近年はランバイクからBMXレースへステップアップする子どもたちも多いことから、BMXレーシングの未来の日本代表がここにいるかもしれない。

究極の鬼ごっこスポーツ「パルオニ」で寒さも忘れ、親子や友達同士で楽しむ

©ISF KAWASAKI 2023

「鬼ごっこ」×「パルクール」を組み合わせた究極の鬼ごっこスポーツ。子どもなら誰でもやったことがあるこの遊びにパルクールの要素を組み合わせて競技化したのが「パルオニ」。安全面が配慮された運動機能を自然と向上させるキッズ用の障害物が置かれた指定エリアの中で「追う側」「追われる側」に分かれて繰り広げられるのが1対1の「20秒間鬼ごっこ」。

どちらが早くつかまえることができるかを競うのだが、イベント内では子ども同士や親子同士で楽しくプレーする様子も見られた。また時折、若者など大人同士でのプレーもあったが、プレー後はみんな笑顔になっており「パルオニ」が老若男女に楽しまれるスポーツとして今後更に浸透していく予感を感じることができた。

ライブペイント「Graffiti Live Paint」では世界レベルの作品に触れながらグラフィティ体験

©ISF KAWASAKI 2023

世界で活躍するグラフィティアーティストである「KAZZROCK」「COOK」「SUGAR」の3名による路上ライブペイントが今回も開催。雨天の影響でチネチッタ通りからアレーナチッタへ会場を移した本コンテンツでは、選手たちや観客の前でプロの巧みな技術が披露された。

様々なカラースプレーや画材を使いながら、アーティストたち各々が触れてきたカルチャーや今までの経験から培われた独特な感性を作品として昇華させていく姿に、同会場で他コンテンツを観ていたお客さんや選手たちも足を止めて目を奪われている様子が印象的だった。

また今回、会場には一般観客向けの体験用キャンバスが用意され、アーティストたちと一緒に子どもから大人までたくさんの観客がグラフィティを体験し、参加者みんなで一枚の作品を完成させた。

イベント概要

タイトル:INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 2023
開催日時:11/25(SAT) ラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場
     (※雨天時 KAWASAKI BRAVE THUNDERS COURT)
     11/26(SUN) CLUB CITTA’, KAWASAKI BRAVE THUNDERS COURT, チネチッタ通り
内容:Breakdance Dream Cup : 日本最大のキッズブレイキンコンペティション
   Let`s Play DOUBLE DOTCH : ダブルダッチの無料体験
   RIDE ON!ENJOY BMX & Skateboard : BMXとSkateboardの無料体験
   SUPER BREAK : ブレイキン3ON3クルーバトル
   Graffiti Live Paint : 有名アーティストによる路上ライブペイント
   CROSS RUMBLE : 3つのストリートカルチャーによるバトルイベント
   ROCK`S CUP : キッズランニングバイクレース
   パルオニ : パルクール鬼ごっこの無料体験
   XLARGE SKATE SESSION:スケートボードスクールとコンテスト
出場料:無料(一部有料)
主催:INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI実行委員会
共催: 川崎市
後援:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 / 一般財団法人日本ジャンプロープ連合 / 川崎商工会議所 / 一般社団法人川崎市観光協会 / 川崎駅広域商店街連合会
運営:株式会社I AM / 有限会社OVER THUMPZ / 株式会社ロックス / STUDIO S.W.A.G.

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