福島県新地町の鈴木智佳子さん(65)は、復興した古里の現在の様子を離れて暮らす友人らに伝えようと作った曲「新地から愛を込めて」を歌い続けている。16日に「つるしの湯」周辺で開かれるイベントや、7月7日の「釣師潮風フェス」に出演する。「多くの人に来場してほしい」と話している。

 会社を退職後、孫と散歩していた公園から見た景色の美しさに、あらためて感動した。財布に入っていたレシートに走り書きしたメモを頼りに歌詞にしたという。「♪会えないけど聞いて あれから駅がキレイになって 景色を想う つるしの湯 ホテルグラードから見る鹿狼山」。

 新地町で生まれ育った。小中学校時代は合唱部員だったが作曲は未経験。孫のおもちゃのピアノで脳裏に浮かんだメロディーを一つ一つ音符にした。プロの音楽家が編曲して1年近くかかって仕上がった。

 3年ほど前からイベントで披露している。帰省した友人にも聞かせることができた。会場では唯一のオリジナル曲を歌う他、同級生と2人で結成した「チカ&テツ」の名前でステージに立つ。童謡やアニメソングで子どもたちを喜ばせている。

 「新地から愛を込めて」は町内の小中学校でも校内放送で流されたという。鈴木さんは「この歌で多くの人に素晴らしい新地町のことを知ってもらいたい。今は孫たちも応援してくれるのがうれしい。今後も歌い続けていきたい」と話している。

(相双版)