飯舘村蕨平行政区に新設された木質バイオマス発電施設「飯舘みらい発電所」の竣工(しゅんこう)式は30日、現地で行われ、運営する飯舘バイオパートナーズなどの関係者らが施設の完成を祝った。今月中旬に営業運転を開始する予定。
 同村を中心とした被災12市町村や県内各地から収集した間伐材や樹皮などを燃焼させ、発生した蒸気でタービンを回して発電する。同社によると、木材は年間で約9万5000トン使用する計画。年間発電量は5300万キロワット時で、一般家庭約1万7000世帯分に相当するという。
 放射性物質を含む木材も使用することから、放射線管理対策も十分に講じる。排ガス中の放射性物質を除去する装置を2台設置して放射性物質濃度を監視、情報公開する。1キロ当たり8000ベクレル以下の飛灰は通常の産業廃棄物として処理するが、基準を超えた場合は法律に基づいて指定廃棄物として取り扱う。村や県の有識者、近隣市町村などによる「飯舘みらい発電所地域協議会」も発足しており、運用状況などを定期的に確認していく。
 式には約120人が出席。梶山雅生社長や杉岡誠村長らがテープカットした。梶山社長は「発電所の操業を通じ、飯舘村や浜通りなどの里山の再生に貢献したい」と述べた。