北朝鮮による拉致事件の被害者家族は18日、首相官邸でアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使と面会し、拉致被害者の帰国に向けた協力を求めた。

面会で拉致被害者・横田めぐみさんの母、早紀江さんは、めぐみさんが拉致された経緯やそれ以降の自身の思いを説明し、「もう88歳になってしまったので元気な間になんとか一目会いたいと思っています。あとは何もいらない、会いたいだけなんです。そのような残酷なことをするような人、国がいれば絶対良くないと世界中が声を大にしていかないといけない」と述べ、支援を要請した。

めぐみさんの弟で家族会代表の横田拓也さんは、2002年に北朝鮮が日朝首脳会談に応じ拉致被害者5人の帰国させたのは、アメリカが北朝鮮を悪の枢軸と名指するなど強い姿勢が背景にあり対話に導いたと指摘し、「強力な圧力が必要だ。全ての拉致被害者の即時帰国がかなうまで、制裁を緩めることなく協力をお願いする」と述べた。

これに対し、トーマスグリーンフィールド国連大使は「私はキャリアを通して北朝鮮の課題にに向き合ってきた。ご家族の痛みや喪失感、苦しみを承知しているつもりだ」と述べた上で、「北朝鮮の政策によってバラバラになってしまった家族が再会できるように努力していきたい。あらゆる機会を捉えてこの課題にとり組みたい」と決意を示した。

面会に同席した林官房長官も、拉致被害者の一日も早い帰国に全力を挙げる考えを改めて強調した。