岸田首相は27日、渋谷区の代々木公園で、労働団体の大会、メーデーに出席し、「経済、経済、経済、長年にわたり染みついたデフレ心理を払拭し、賃金が上がることが当たり前との方向に社会全体の意識を一気呵成に変えなければならない」と強調した。その上で「今年物価上昇を上回る所得を必ず実現し、来年以降に定着させる」と掲げた。

メーデーには連合の芳野会長も出席する中、岸田首相は春闘で2023年の大きく上回る力強い賃上げの流れができていることを心強く思うとして、労使間での賃上げ交渉にあたった労働組合に対し「経緯を申し上げる」と述べた。

また、6月に1人あたり4間年の食税減税を実施し、これまでに実施している低所得者への住民税減税と合わせて、物価上昇を上回る所得を政府として実現の後押しをする考えを示した。

さらに、最低賃金引き上げ目標の早期実現に向けた課題として、少子化問題をあげて「2030年代にはいるまでが少子化傾向を反転させられるかどうかのラストチャンスだ」として、子ども子育て支援金を創設し、児童手当の拡充、こども誰でも通園制度の創設、育児休業給付の充実などの施策を実現するために、関連法案の早期成立に最大限努力する、と述べた。