●10位:守田英正

 ヨーロッパ各地で日本人選手が活躍しており、中にはシーズン10得点に届きそうな選手もいる。今回は、2023/24シーズンの欧州主要10リーグにおける日本人選手の得点ランキング・トップ10を紹介する。※データは3/11時点の『transfermarkt』を参照。得点数が並んだ場合の順位はサイトに準拠。
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生年月日:1995年5月10日
所属クラブ:スポルティングCP(ポルトガル)
23/24リーグ戦成績:19試合2得点4アシスト

 サッカー日本代表の守田英正は、ポルトガルの名門スポルティングCPで活躍しており、今季リーグ戦で2得点を挙げている。

 昨季の守田は、リーグ戦29試合に出場して6得点を挙げた。昨季に比べると得点ペースは落ちているが、肝心なところで攻撃に参加する判断力は魅力的だ。第8節のアウロカ戦は、スポルティングCPが退場者を出して数的不利だったが、68分にゴール前まで走り込んだ守田が左からのクロスに合わせて決勝点を挙げ、チームに勝ち点3をもたらしている。

 今季のスポルティングCPでは、昨年夏に加入したスウェーデン代表のヴィクトル・ギェケレシュがリーグ戦で19得点、公式戦トータルで33得点とゴールを量産中だ。守田は得点数が昨季よりも減っているものの、アシスト数はすでに昨季を超えており、チーム全体のバランスを考慮した結果、前線に顔を出す場面が減っていると捉えることもできるだろう。実際、スポルティングCPは昨季リーグ戦の得点数が「71」だったが、今季はすでに69得点を挙げている。守田は自分の仕事をしていると言えるかもしれない。

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●9位:板倉滉
生年月日:1997年1月27日
所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:11試合2得点0アシスト

 ドイツのボルシア・メンヒェングラートバッハ(ボルシアMG)でプレーする日本代表の板倉滉は、このランキングのトップ10で唯一のDF登録選手だ。

 板倉は今季ブンデスリーガ開幕戦のアウクスブルク戦で得点を決めると、第3節のバイエルン・ミュンヘン戦でもゴールを決めた。10月に足首を痛めて長期離脱となったこともあってその後は数字が伸びていないものの、センターバックで2得点というのは悪くない数字だろう。

 今季の板倉の得点は、どちらもCKからのヘディング弾で、セットプレーは大きな強みと言える。シャルケでプレーしていた2021/22シーズンはドイツ2部で4得点を挙げたが、このときはリーグ戦31試合に出場だった。11試合しか出場していない今季の方が出場時間あたりの得点数は多く、これからさらなるゴールに期待したいところだ。

●8位:堂安律
生年月日:1998年6月16日
所属クラブ:フライブルク(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:21試合2得点2アシスト

 ドイツのフライブルクでプレーしている堂安律は、今季ここまでブンデスリーガで2得点を挙げている。直近3シーズンの得点数には届かないペースだ。

 フライブルクで2シーズン目を過ごしている堂安は、昨季のブンデスリーガで5得点を記録した。2021/22シーズンはPSVでリーグ戦24試合に出場して8得点、2020/21シーズンはビーレフェルトで34試合に出場して5得点だった。

 それだけに、ここまで2得点という今季の数字は満足できないかもしれない。ただ、21試合中先発出場が17試合で、右ウイングのレギュラーポジションを不動のものとしている。特にクリスティアン・シュトライヒ監督は堂安のボールキープを信頼しているようで、攻撃の起点としてパスが集まってくる役割だ。

 アウグスブルクは現在、ブンデスリーガで9位につけている。15位で終了した昨季の最終勝ち点にあと2ポイントのところまできており、チームとしては順調と言えるはず。得点が多いに越したことはないとしても、堂安は自分の仕事をしているとみていいだろう。

●7位:三笘薫
生年月日:1997年5月20日
所属クラブ:ブライトン(イングランド)
23/24リーグ戦成績:19試合3得点5アシスト

 日本が世界に誇るドリブラーである三笘薫は、不完全燃焼でシーズンを終える可能性が高い。

 2022/23シーズンのプレミアリーグで7得点6アシストを記録して大きな注目を集めた三笘は、2023/23シーズンも好発進となり、プレミアリーグ第6節までに3得点3アシストを記録した。

 しかし、その後得点が止まってしまうと、12月に足首を痛めて離脱を強いられ、サッカー日本代表として臨んだアジアカップにも影響している。大会期間中に復帰を果たしてインパクトを残したものの、2月末に腰のトラブルで長期離脱となることが決まり、復帰は今季終盤か来季と言われているところだ。

 一流選手が集うプレミアリーグで3得点5アシストという成績は決して悪いものではないとしても、その並み居る強敵を鮮やかにかわしていく三笘の姿は多くのファンの目に焼き付いている。それだけに、得点数でも大きなインパクトを求めたくなってしまう選手で、まずは万全のコンディションで戻ってくることに期待したい。

●6位:伊藤涼太郎
生年月日:1998年2月6日
所属クラブ:シント=トロイデン(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:26試合4得点1アシスト

 伊藤涼太郎は、ヨーロッパ挑戦1年目の今季、ここまで4得点を記録している。

 浦和レッズでプロキャリアを始めた伊藤は、水戸ホーリーホックと大分トリニータへの期限付き移籍を経験したのち、2022年からアルビレックス新潟で活躍。2023年夏からベルギーのシント=トロイデンでプレーしている。

 伊藤は攻撃的なMFとして開幕からスターティングメンバーとなり、チームの攻撃をけん引する1人としてピッチに立っている。こうした活躍が評価され、今年元日に行われた国際親善試合のタイ代表戦でA代表デビューを果たした。

 その後のアジアカップのメンバーからは落選した伊藤だが、1月28日に行われたヘンク戦では、途中出場で90分にFKを直接決めて、チームに勝ち点1をもたらしている。シント=トロイデンは直近4試合で1勝3敗と苦しんでいるが、その間の唯一の白星は伊藤が決勝点を決めたウェステルロー戦だった。今季のシント=トロイデンは伊藤が得点を決めた試合で負けておらず、チームに欠かせない選手の1人と言えそうだ。

●5位:浅野拓磨
生年月日:1994年11月10日
所属クラブ:ボーフム(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:21試合6得点1アシスト

 サッカー日本代表の浅野拓磨は、今季のドイツ・ブンデスリーガで6得点を挙げている。

 浅野は2022/23シーズンのリーグ戦で3得点2アシストという成績だったが、最終節のレバークーゼン戦で1得点1アシストと活躍し、ボーフムの1部残留に大きく貢献した。

 ファンの信頼も高まって迎えた今季は、第3節のアウクスブルク戦で2得点を記録して勢いに乗り、レギュラーとして活躍。2月に行われた第22節のバイエルン・ミュンヘン戦では、持ち前のスピードを存分に活かした速攻から見事なシュートを決め、名門撃破に貢献した。得点数は、すでにブンデスリーガにおけるキャリアハイを更新している。

 現在ボーフムはブンデスリーガで15位につけている。降格の可能性がある16位とは勝ち点7の差があるとはいえ、不安な順位であることは間違いない。周囲は再び浅野の勝負強さに期待しているはずだ。

●4位:南野拓実
生年月日:1995年1月16日
所属クラブ:モナコ(フランス)
23/24リーグ戦成績:22試合6得点5アシスト

 南野拓実は、久々に充実したシーズンを過ごしていると言えそうだ。

 セレッソ大阪の下部組織で育った南野は、2015年にオーストリアのレッドブル・ザルツブルクでヨーロッパ挑戦を始め、2020年からイングランドの名門であるリバプールでプレーし、2022年からモナコに所属している。

 モナコ1年目の2022/23シーズンはなかなか調子が上がらずにリーグ戦の成績は1得点4アシストと振るわなかったが、今季は開幕から好調で、リーグ戦第4節までに3得点3アシストと最高のスタートを切り、ここまでリーグ戦で6得点5アシストを記録している。

 南野が最後にシーズン2桁得点を達成したのは、ザルツブルク時代の2016/17シーズンの11得点だ。その後もザルツブルクでは得点もアシストもコンスタントに記録しているが、リバプールではなかなか出番を得られず、プレミアリーグではあまり得点を量産できなかった。それでも、モナコで継続して出番を得られるようになって結果を残しているところだ。

 本来の得点感覚が戻ってきた様子の南野は、どこまで得点を伸ばせるだろうか。

●3位:川辺駿
生年月日:1995年9月8日
所属クラブ:スタンダール・リエージュ(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:26試合7得点5アシスト

 川辺駿は、昨年夏にウォルバーハンプトンからスタンダール・リエージュへ移籍し、今季のベルギー1部リーグで7得点5アシストと好調だ。

 川辺は第5節コルトレイク戦で移籍後初得点を挙げると、第7節のオイペン戦では1得点1アシストを記録し、レギュラーポジションを確固たるものとした。11月には、第16節のヘンク戦で華麗なボレーシュートで決勝点を挙げるなどして、クラブの月間最優秀選手賞を受賞している。

 セットプレーのキッカーを任されてアシストでも貢献する川辺は、得点関与だけでなく、中盤の密集でパスを受けて攻撃の起点になることも多い。

 川辺はグラスホッパーに在籍していた昨季、スイス1部リーグで9得点8アシストという成績だった。昨季を超える数字を残せれば、日本代表定着という目標にも一歩近づけるかもしれない。

●2位:久保建英
生年月日:2001年6月4日
所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)
23/24リーグ戦成績:21試合7得点3アシスト

 スペインのレアル・ソシエダでプレーするサッカー日本代表の久保建英は、今季のラ・リーガで21試合に出場して7得点3アシストを記録している。

 昨季途中からレアル・ソシエダで活躍して欠かせない選手となった久保は、今季序盤戦から大活躍で、チームの攻撃をけん引した。9月は5試合で4得点の大暴れで、日本人として初めてラ・リーガの月間最優秀選手賞を受賞。2得点を決めた第4節グラナダ戦で決めた2点目は、華麗なドリブルから正確な左足のシュートによるゴールで、久保らしさが存分に詰まったスーパーゴールだった。

 その後はペースが落ちており、2024年に入ってからは1得点という状況だ。もちろん、アジアカップ参加による離脱があったことも考慮しなければいけないが、昨年10月以降は3得点となっている。レアル・ソシエダが調子を落としていることや久保自身の負傷もあり、現在は厳しい状況と言えるだろう。

 それでも、昨季の得点数「9」は目前で、2桁得点は現実的な目標だ。2022/23シーズン以上の選手であることを数字の上で証明するためにも、残りのシーズンでもうひと暴れしてほしいところである。

●1位:小川航基
生年月日:1997年8月8日
所属クラブ:NECナイメヘン(オランダ)
23/24リーグ戦成績:23試合8得点1アシスト

 今季のヨーロッパ主要リーグで最も多くのゴールを決めている日本人選手は、オランダ1部のNECナイメヘンに所属する小川航基だ。ここまでエールディビジで23試合に出場して8得点を挙げている。

 小川は昨年夏に横浜FCからの期限付き移籍でNECに加入した。開幕戦のエクセルシオール戦と第2節のエラクレス戦で2試合連続ゴールを決めて最高のスタートを切っている。第11節のフォレンダム戦では、立ち上がりに先制点を記録したあとでチームは逆転を許したが、後半アディショナルタイムにヘディングで同点弾を決めて勝ち点1をもたらした。ここまで起用されなかったのは2試合のみで、コンスタントにプレーしており、2桁得点は十分に射程圏内だ。

 小川はリーグ戦の8得点のほかに、KNVBベーカー(国内カップ戦)で4試合連続得点を挙げており、NECの決勝進出に貢献している。4月21日に行われるフェイエノールトとの決勝で得点を決めれば大会得点ランキングの首位に立つ可能性がある状況で、こちらも大いに注目だ。

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