●20位:土居聖真(鹿島アントラーズ)

 並外れたタレントのみがたどり着けるサッカー日本代表。彼らはデビューした時にどのように評価されていたのか。今回はデータサイト『transfermarkt』が算出したデータをもとに、歴代日本代表選手デビュー時の市場価値ランキングを紹介する。※金額が並んだ場合の順位はサイトに準拠。
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生年月日:1992年5月21日(31歳)
デビュー:2017年12月12日
デビュー時の市場価値:150万ユーロ(約2億1000万円)
デビュー時の所属クラブ:鹿島アントラーズ

 サッカー日本代表デビュー時の市場価値ランキングで20位にランクインしたのは、鹿島アントラーズに所属するFW土居聖真だ。日本代表デビューを果たしたのは、2017年12月12日に行われたE-1選手権第2戦の中国代表戦である。中国戦でスタメン出場を果たし、日本代表は2-1の勝利。続く第3戦の韓国代表戦でも先発出場となり、代表2キャップ目を記録した。

 代表デビューの年となった2017シーズンでは公式戦50試合に出場して6得点9アシストを記録。その時の市場価値は150万ユーロ(約2億1000万円)で、そこからさらに上がり、最高は2019年12月時点の230万ユーロ(約3億2200万円)だった。E-1選手権以降、日本代表ではプレーしていないが、常勝軍団・鹿島には欠かせない存在である。

 土居はジュニアユース時代から現在まで鹿島一筋でプレー。主にトップ下やサイドでプレーし、時にはセンターフォワードやサイドバックでも起用され、ユーティリティー性もある。豊富な運動量を武器に、90分を通して前線から後方まで動ける選手だ。オフザボールの動きの質も高い。

 これまでAFCチャンピオンズリーグ(ACL)やJ1リーグのタイトルを獲得してきた土井だが、2018年のクラブワールドカップでレアル・マドリード相手に決めたゴールは印象的だ。3点ビハインドの後半、巧みなボールコントロールを見せて、ティボー・クルトワからゴールを奪ってみせた。

 31歳となったベテランFWは鹿島で通算453試合に出場。クラブ歴代5位の数字となっている。どこまで記録を伸ばせるか注目だ。

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●19位:柿谷曜一朗(徳島ヴォルティス)

生年月日:1990年1月3日(34歳)
デビュー:2013年7月21日
デビュー時の市場価値:150万ユーロ(約2億1000万円)
デビュー時の所属クラブ:セレッソ大阪

 柿谷曜一朗は、16歳327日という若さでプロデビューを果たした。これはセレッソ大阪の歴代最年少出場記録である。C大阪の下部組織からトップチームに昇格した当時、1歳年上で同期入団の香川真司より注目を集めていた。だが、香川の台頭や乾貴士の加入などで徐々に機会が減っていくと、練習への遅刻を繰り返すようになり素行の悪さも目立った。そして、2009年6月に徳島ヴォルティスへ期限付き移籍となる。

 この移籍が転機となり、素行の悪さは次第に改善されていき、2011年には副キャプテンに任命された。そして、2012年1月にC大阪へ復帰している。2012シーズンは徐々に出場機会を得るようになり、J1リーグで11得点を記録。翌年からは、森島寛晃や香川、清武弘嗣などがつけたC大阪の栄光の背番号8をつけて主力としてプレーし、5月の月間MVPを受賞するなど活躍する。すると、2013年7月に東アジアカップ(E-1選手権)に出場するサッカー日本代表に選出された。

 東アジアカップ第1戦の中国代表戦でA代表デビューを果たすと、1ゴール1アシストを記録。大会通算3ゴール1アシストの活躍で得点王となり、日本の初優勝に貢献した。その後、当時のザックジャパンのメンバーにコンスタントに選ばれ、2014年のブラジルワールドカップにも出場。代表デビューから約1年でW杯メンバーの座を掴んだ。W杯後の2014年7月にスイスの古豪・バーゼルへ移籍し海外挑戦する。2016年にC大阪へ復帰。名古屋グランパスでのプレーを経て、現在も在籍する徳島へ復帰となった。

 代表デビュー時の市場価値は150万ユーロ(約2億1000万円)。バーゼルに移籍した当時は250万ユーロ(約3億5000万円)だった。天才と称された柿谷は現在34歳。持ち前のテクニックは健在で、今でも人々を魅了する。開幕から調子が上向かない徳島だが、副キャプテンとしてチームを支えている柿谷は、再びJ1でプレーすることができるか。

●18位:髙萩洋次郎(アルビレックス新潟シンガポール)

生年月日:1986年8月2日(37歳)
デビュー:2013年7月21日
デビュー時の市場価値:150万ユーロ(約2億1000万円)
デビュー時の所属クラブ:サンフレッチェ広島

 現在アルビレックス新潟シンガポールでプレーする37歳のベテランMF髙萩洋次郎は、サンフレッチェ広島時代の2013年7月にサッカー日本代表デビューを果たした。代表デビュー時の市場価値は150万ユーロ(約2億1000万円)。それがキャリア最高で、現在は5万ユーロ(約700万円)となっている。

 広島ユース出身の高萩は、2003年にトップチームに昇格を果たす。2006年には愛媛FCへ期限付き移籍したが、2007年に復帰して頭角を現すと、2012年はリーグ戦全試合に出場してJ1初優勝に貢献した。翌シーズンから背番号10を背負い、J1連覇に貢献。2013年7月21日に行われた東アジアカップ(E-1選手権)第1戦の中国代表戦でA代表デビューを果たすと、第3戦の韓国代表戦で代表2キャップ目を記録。日本の優勝に貢献した。

 その後、髙萩はオーストラリアや韓国でもプレー。2017年からしばらくはJリーグに身を置いたが、今冬にアルビレックス新潟シンガポールに移籍し、再び海外挑戦を果たしている。今もなお高いテクニックを誇るMFは、まだまだ輝きを失わないようだ。

●17位:酒井宏樹(浦和レッズ)

生年月日:1990年4月12日(33歳)
デビュー:2012年5月23日
デビュー時の市場価値:160万ユーロ(約2億2400万円)
デビュー時の所属クラブ:柏レイソル

 不動の右サイドバックとして長年サッカー日本代表に君臨してきた酒井宏樹が、日本代表デビュー時の市場価値ランキング17位にランクインとなった。2011年10月に日本代表に招集されていたが、A代表デビューは2012年5月23日に行われたキリンチャレンジカップのアゼルバイジャン代表戦。内田篤人との交代で後半頭からの出場となった。

 代表デビュー当時の市場価値は160万ユーロ(約2億2400万円)だったが、そこからさらに飛躍を遂げた酒井は、マルセイユ時代の2018年に800万ユーロ(約11億2000万円)にまで上昇した。33歳となった今でも100万ユーロ(約1億4000万円)と1億円を超えているのは驚くべきことだろう。

 酒井はこれまでのプロキャリアで輝かしい成績を収めている。柏レイソル時代の2010年にJ2優勝とJ1昇格に貢献すると、翌年は史上初となる昇格初年度でのJ1リーグ優勝を経験した。2011年に右サイドバックに定着すると、そこから一気にブレイク。年代別の代表やA代表にも選出され、クラブワールドカップでの活躍で海外から注目され始めた。

 そして、2012年7月にドイツのハノーファーへ完全移籍。2012年のロンドン五輪ではベスト4入りに貢献した。2016年6月にフランスのマルセイユにプレーの場を移し、2021年6月に浦和レッズへの完全移籍で9年ぶりの日本復帰。今もなお、その存在感は絶大だ。東京五輪ではオーバーエイジ(OA)として2度目の五輪に挑み、ここでもベスト4入りに貢献。ワールドカップメンバーには3大会連続で選出されており、言わずと知れた日本最強の右サイドバックだ。

●16位:槙野智章
生年月日:1987年5月11日(36歳)
デビュー:2010年1月6日
デビュー時の市場価値:170万ユーロ(約2億3800万円)
デビュー時の所属クラブ:サンフレッチェ広島

 現在はバラエティやサッカー解説者、監督などマルチに活躍する槙野智章が、日本代表デビュー時の市場価値ランキングで16位に入った。2009年5月のキリンカップに臨むサッカー日本代表に選出されたが、出場なしに終わった。それでも、2010年1月6日に行われたアジアカップ最終予選のイエメン代表戦でA代表デビューを果たしている。その当時の市場価値は170万ユーロ(約2億3800万円)だった。

 サンフレッチェ広島ユース出身の槙野は2006年にトップチームに昇格。2008年にはJ2優勝とJ1昇格に大きく貢献し、翌シーズンのJ1ではDFながら8得点を挙げている。2010シーズンに全34試合に出場し、初のJリーグベストイレブンに選出。2011年1月からドイツのケルンでプレーすることになった。

 念願の欧州でのプレーだったが、2012年1月に浦和レッズへの期限付き移籍でJリーグに復帰。翌年に完全移籍へ移行すると、天皇杯、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝に貢献した。浦和を退団することが決まっていた槙野だったが、2021年12月19日に行われた大分トリニータとの天皇杯決勝で後半アディショナルタイムに劇的決勝ゴールを記録し、チームの8度目の優勝に貢献。浦和でのラストマッチで決めるという、まさに持ってる男だ。

 現役時代はピッチで、フィジカルとヘディングの強さを活かした守備でCBとしてDF陣を牽引。ゴール後のパフォーマンスでも観客を喜ばせ、ピッチ内外でムードメイカーとしてチーム全体を盛り上げる姿も印象的だった。日本のサッカーファンに愛された槙野は、2022シーズンを最後にヴィッセル神戸で現役を引退。引退した今でも日本サッカー界のために尽力している。

●15位:三笘薫(ブライトン/イングランド)
生年月日:1997年5月20日(26歳)
デビュー:2021年11月16日
デビュー時の市場価値:180万ユーロ(約2億5200万円)
デビュー時の所属クラブ:川崎フロンターレ

 2021年11月16日にサッカー日本代表デビューとなった三笘薫の当時の市場価値は180万ユーロ(約2億5200万円)だった。今や日本のみならず、プレミア屈指のウィンガーにまで成長した同選手の現在の市場価値は、4500万ユーロ(約63億円)となっている。これは日本人選手では久保建英に次ぐ2位の金額だ。

 川崎フロンターレの下部組織出身だが、トップチームに昇格せずに筑波大学へ進学。2020シーズンに川崎Fへ加入し、同年のJ1、天皇杯優勝に貢献した。

 2021年7月に行われた東京五輪のU-24日本代表に選出され、ベスト4入りに貢献。代表デビューは2021年11月16日に行われた2022FIFAワールドカップ・アジア最終予選のオマーン代表戦で、伊東純也の決勝ゴールをアシストしている。さらに、同月24日のオーストラリア代表戦で途中出場から2ゴールを決めて、日本をW杯に導く活躍を見せ一躍ヒーローとなった。

 その後も日本代表に呼ばれるようになり、カタールW杯のスペイン代表戦では田中碧のゴールをアシストし、「三笘の1ミリ」が世界でも注目を集めた。ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへの期限付き移籍を経て、現在はブライトンでプレー。屈強なプレミアリーグのDFたちを得意のドリブルで翻弄し、世界のサッカーファンを驚かせている。今後の活躍次第では、市場価値がさらに上がりそうだ。

●14位:菅原由勢(AZアルクマール/オランダ)
生年月日:2000年6月28日(23歳)
デビュー:2020年10月9日
デビュー時の市場価値:180万ユーロ(約2億5200万円)
デビュー時の所属クラブ:AZアルクマール(オランダ)

 オランダのAZアルクマールでプレーする菅原由勢がサッカー日本代表デビュー時の市場価値ランキングで14位に入った。各年代別の日本代表にも選出されており、U-20ワールドカップなどに出場。東京五輪のメンバーからは落選したが、現在のA代表ではコンスタントに呼ばれている。

 代表デビューは2020年10月9日に行われた国際親善試合のカメルーン代表戦。原口元気との交代で途中出場し、わずか4分の出場だった。2021年11月以降、A代表から遠ざかっていたが、カタールワールドカップ後の昨年3月24日に行われた国際親善試合のウルグアイ代表戦でスタメン出場。今年1月のアジアカップにも出場した。

 名古屋グランパス下部組織出身の菅原は、2018年4月にプロ契約を締結。そして、そこから約1年でオランダ1部のAZへ期限付き移籍を果たす。翌年にAZが買取オプションを行使して、完全移籍に移行。オランダの名門でも主力としてプレーしている。

 スピードと正確なキックが武器の菅原は、AZでプレスキッカーも任され、3月17日のフォレンダム戦でFKからゴールを決めている。日本代表でも正確無比なクロスでチャンスを演出。キック精度は代表でもトップレベルだ。現在の市場価値は1200万ユーロ(約16億8000万円)。23歳と若く、まだまだ市場価値が上がりそうだ。

●13位:柏木陽介
生年月日:1987年12月15日(36歳)
デビュー:2010年1月6日
デビュー時の市場価値:180万ユーロ(約2億6600万円)
デビュー時の所属クラブ:浦和レッズ

 サッカー日本代表デビュー時の市場価値ランキング13位に入ったのは、昨季限りで現役を引退した柏木陽介だ。代表デビューは2010年1月6日に行われたアジアカップ最終予選のイエメン代表戦。フル出場を果たし、3-0の勝利に貢献している。当時の市場価値は180万ユーロ(約2億6600万円)だった。

 その後、日本代表にはコンスタントには呼ばれなかったが、2015年10月13日に行われた国際親善試合のイラン代表戦で約3年ぶりに出場を果たす。さらに、ロシアワールドカップのアジア予選では、4試合に出場している。

 サンフレッチェ広島ユース出身の柏木は、2006年にトップチームに昇格。2008年にJ2優勝を経験し、2010年から浦和レッズでプレー。2015年のJ1リーグ1stステージ、2017年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)、2018年の天皇杯優勝に貢献した。その後2021年にJ3のFC岐阜へ移籍し、2023シーズンを持って現役を引退している。

 正確無比な左足のキックが武器で、2013年、2018年にJ1リーグのアシスト王に輝いている。ゲームメイカーとしてチームの攻撃の中枢を担い、決定的なパスやシュートなどで相手のゴールを脅かしてきた。Jリーグ屈指のテクニシャンは、FC岐阜のクラブアンバサダーとして、引退した今でもサッカー界に貢献している。

●12位:町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ/ベルギー)
生年月日:1997年8月25日(26歳)
デビュー:2023年9月12日
デビュー時の市場価値:200万ユーロ(約2億8000万円)
デビュー時の所属クラブ:ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)

 ベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに所属するDF町田浩樹が代表デビューを果たしたのは、2023年9月12日と最近である。トルコ代表との国際親善試合にCBとしてスタメン出場を果たし、4-2の勝利に貢献している。この時の市場価値は200万ユーロ(約2億8000万円)だったが、1年足らずで800万ユーロ(約11億2000万円)にまで急騰した。

 鹿島アントラーズの下部組織で育った町田は、2016年にトップチームへ昇格。2023年3月に期限付き移籍を経て、ユニオン・サン=ジロワーズに完全移籍となった。190cmという恵まれた体格に加えて、左利きという貴重な存在だ。さらに、左足のキックは一級品で、フィード力は日本でも屈指。空中戦の強さも兼ね備えている。

 鹿島では2016年にJ1リーグと天皇杯、2018年にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝を経験。東京五輪では2試合に出場し、ベスト4入りを経験している。冨安健洋や板倉滉に次ぐ日本期待のCBだ。

●11位:久保裕也(FCシンシナティ/アメリカ)
生年月日:1993年12月24日(30歳)
デビュー:2016年11月11日
デビュー時の市場価値:200万ユーロ(約2億8000万円)
デビュー時の所属クラブ:BSCヤングボーイズ(スイス)

 久保裕也が日本代表デビュー時の市場価値ランキングで11位に入った。代表デビューとなったのは、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代。2016年11月11日に行われたオマーン代表との国際親善試合だった。その時の市場価値は200万ユーロ(約2億8000万円)。今でこそ、40万ユーロ(約5600万円)にまで下落したが、KAAヘント時代は500万ユーロ(約7億円)にまで上昇した。

 久保は2012年に京都サンガF.C.の下部組織からトップチームへ昇格。2010年に高校2年生でトップチーム登録され、2011シーズンにはJ2で30試合に出場し、10得点を記録。これらの活躍が認められ、2012年2月24日に行われたアイスランド代表戦のメンバーにも選出されていた。高校生がA代表に選出されるのは、14年ぶり2人目の快挙だった。

 そこからしばらく代表からは遠ざかっていたが、各年代別の日本代表も経験。2016年11月11日に行われたオマーン代表との国際親善試合で代表デビューを飾っている。翌年2月のワールドカップアジア最終予選のUAE代表、タイ代表戦でそれぞれ1ゴール1アシストを記録し、日本のロシアW杯出場に貢献した。その後、3月27日のウクライナ代表戦以降、代表から遠ざかっている。

 久保は切れ味鋭いドリブルと決定力が魅力のFW。そのドリブルで数々のDFを翻弄し、ゴールを奪ってきた。若くして海外に渡った同選手はスイスのヤング・ボーイズ、ベルギーのヘント、ドイツのニュルンベルクでプレー。現在はアメリカ·メジャーリーグサッカー(MLS)のFCシンシナティに所属している。

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