●20位:川辺駿

今や1000万ユーロ(約14億円)を超える市場価値を有する日本人サッカー選手も多く見られるようになった。彼らの中で最も市場価値が高いのは誰なのか。今回はデータサイト『transfermarkt』が算出したデータをもとに市場価値ランキングを紹介する。※市場価値は3月31日時点。金額が並んだ場合の順位はサイトに準拠。
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生年月日:1995年9月8日(28歳)
市場価値:450万ユーロ(約6億3000万円)
所属クラブ:スタンダール・リエージュ(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:27試合7得点9アシスト

 今回のランキングで20位に入ったのはベルギーの古豪スタンダール・リエージュに所属する川辺駿だ。2023年6月時点の市場価値では、280万ユーロ(約3億9200万円)だったが、現在は450万ユーロ(約6億3000万円)にまで上昇。さらに、スイスのグラスホッパー時代の2022年1月時点では130万ユーロ(約1億8200万円)ほど。ここ数年で市場価値が爆上がりしている。

 広島ユース出身の川辺は2014年にトップチームへ昇格。2015〜2017年まで期限付き移籍でジュビロ磐田でプレーした。2021年7月にはグラスホッパーへ移籍。ここでの活躍が認められると、2022年1月に同クラブと提携関係にあるイングランドのウォルバーハンプトン(ウルブス)へ完全移籍し、2021/22シーズン終了まで期限付き移籍という形でグラスホッパーへ残留した。2023/24シーズンからウルブスでプレーすることになっていたが、同クラブでの出場は叶わず。2023年7月にリエージュに完全移籍となった。

 日本代表では、ボランチの層が厚く影を潜める川辺だが、点の取れる攻撃的なボランチとしては貴重な存在だ。持ち前の攻撃センス、ドリブル、前への飛び出しなどを武器に得点を量産。グラスホッパー時代の2022/23シーズンはリーグ戦33試合で9得点8アシストというボランチとしては驚くべき数字を残している。

 今季は初のベルギー挑戦ながら、27試合7得点9アシスト。その攻撃力は健在で、3列目からの飛び出しは相手も捕まえづらく、決定的な仕事をすることができる。市場価値が鰻登りの川辺はもう28歳。選手としては油の乗っている時期で、市場価値も跳ね上がるかもしれない。

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最高額の日本人は誰だ!? サッカー選手市場価値ランキング1位
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●19位:渡辺剛

生年月日:1997年2月5日(27歳)
市場価値:600万ユーロ(約8億4000万円)
所属クラブ:KAAヘント(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:26試合2得点2アシスト

 サッカー日本代表の大型CB渡辺剛が、日本人市場価値ランキングで19位にランクインしている。FC東京からベルギーのコルトレイクへ移籍した当時の市場価値は85万ユーロ(約1億1900万円)。そこから海外で実績を積み重ね、現在は600万ユーロ(約8億4000万円)となっている。

 渡辺は2019年に中央大学からFC東京へ加入。2021年12月にコルトレイクへ完全移籍を果たす。2年目の2022/23シーズンはフィールドプレーヤーとして唯一のリーグ戦全試合フル出場を達成すると、2023年6月にヘントに加入となった。

 今季からプレーするヘントでも主力として活躍。公式戦43試合に出場し、3得点2アシストとなっている。UEFAカンファレンスリーグ(UCL)にも出場し、欧州の国際舞台も経験した。

 東京五輪のメンバーからは外れたが、海外で結果を残し続け、今年1月に行われたAFCアジアカップ2023に日本代表の一員として参加した。186cmという恵まれた体格を武器に空中戦で強さを発揮。さらにカバーリング能力の高さにも定評のある選手だ。現在は600万ユーロ(約8億4000万円)となっているが、日本代表でも結果を残せれば、さらに市場価値が上がることになるだろう。

●18位:前田大然

生年月日:1997年10月20日(26歳)
市場価値:650万ユーロ(約9億1000万円)
所属クラブ:セルティック(スコットランド)
23/24リーグ戦成績:24試合4得点2アシスト

 スコットランド1部のセルティックに所属する前田大然が、日本人選手の市場価値ランキングで18位にランクインとなった。山梨学院大学附属高等学校出身の前田は、2016年に松本山雅FCへ加入。2019年7月にはポルトガル1部のマリティモへ期限付き移籍を果たした。

 翌年8月には横浜F・マリノスへの期限付き移籍でJリーグへ復帰。翌年に完全移籍となると、J1で23ゴールを挙げて得点王に輝いた。持ち前のスピードと爆発的なスプリント力で攻守でチームに貢献できるFWであり、その武器は海外でも通用することを証明。現在のセルティックでも主力として活躍している。東京五輪を経験した前田は、2022年のカタールワールドカップにも出場。決勝トーナメント1回戦のクロアチア代表戦でゴールを決めた。

 セルティック加入当初の2022年1月時点での市場価値は160万ユーロ(約2億2400万円)だったが、現在は650万ユーロ(約9億1000万円)。この2年で約4倍となっている。抜群のスピードを武器に海外でも活躍する前田が、今後も結果を残すことができれば、市場価値はまだ上がること間違いない。

●17位:上田綺世

生年月日:1998年8月28日(25歳)
市場価値:800万ユーロ(約11億2000万円)
所属クラブ:フェイエノールト(オランダ)
23/24リーグ戦成績:19試合2得点0アシスト

 サッカー日本代表のセンターフォワードで、オランダの名門フェイエノールトに所属する上田綺世は、日本人選手の市場価値ランキングで17位に入った。2023年12月時点では、キャリア最高の900万ユーロ(約12億6000万円)。そこから100万ユーロ下落したが、まだ25歳と若く、ここからの上昇に期待できる。

 2021年の鹿島アントラーズへの加入が内定していた上田は、2019年7月に法政大学サッカー部を退部。前倒しで同クラブへ加入となった。裏への抜け出しは一級品で、抜群の決定力も併せ持ち、Jリーグでも得点を量産。J1では通算86試合で38得点を記録した。

 2022年7月にベルギー1部のセルクル・ブルッヘに移籍すると、ここでもその能力を遺憾なく発揮。公式戦42試合で23ゴールを挙げた。そして、2023年8月にフェイエノールトへ完全移籍を果たす。また、東京五輪やFIFAワールドカップ、AFCアジアカップなども経験。若くして海外へわたり、国際舞台も経験しており、これからの活躍が期待される。

●16位:町田浩樹

生年月日:1997年8月25日(26歳)
市場価値:800万ユーロ(約11億2000万円)
所属クラブ:ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:23試合0得点0アシスト

 ベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに所属するDF町田浩樹が日本人選手の市場価値ランキングで16位に入っている。2022年1月に鹿島アントラーズからサン=ジロワーズへ移籍した当時の市場価値は100万ユーロ(1億4000万円)。現在は800万ユーロ(約11億2000万円)と約2年で8倍も上昇している。

 鹿島アントラーズの下部組織で育った町田は、2016年にトップチームへ昇格。期限付き移籍を経て、2023年3月にユニオン・サン=ジロワーズに完全移籍となった。190cmという恵まれた体格に加えて、左利きという貴重な存在である。空中戦の強さはもちろんのこと、左足のキック精度にも定評がある。

 鹿島では2016年にJ1リーグと天皇杯、2018年にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝を経験。東京五輪では2試合に出場している。所属するサン=ジロワーズではCBの主力として活躍しており、UEFAヨーロッパリーグ(EL)も経験。国際舞台も経験した大型CBの今後の飛躍に注目したい。

●15位:旗手怜央

生年月日:1997年11月21日(26歳)
市場価値:1000万ユーロ(約14億円)
所属クラブ:セルティック(スコットランド)
23/24リーグ戦成績:9試合2得点2アシスト

 DFからFWまでさまざまなポジションをこなせるユーティリティープレイヤーである旗手怜央が、日本人選手の市場価値ランキングで15位に入った。2023年12月時点では、キャリア最高の1100万ユーロ(約15億4000万円)。怪我の影響もあり下落したが、現在は1000万ユーロ(約14億円)と高額となっている。

 正確な足もとの技術に定評のある旗手はセルティックでは主にインサイドハーフでプレー。昨季は公式戦45試合で9得点11アシストを記録した。味方を活かすプレーもできるが、ゴール前まで入り込み、自らゴールも狙える選手である。

 今年1月に行われたAFCアジアカップ2023の日本代表メンバーに招集された旗手だったが、ラウンド16のバーレーン代表戦で右足のふくらはぎを負傷。セルティックに戻って治療に専念し、代表ウィーク明けの3月31日に行われたリヴィングストン戦で先発出場を果たす。ゴールとアシストこそなかったが、積極的な姿勢を見せ、先制ゴールに関与した。

 怪我で代表から離れていた旗手だが、北中米ワールドカップに向けたアジア予選の日本代表にも今後選出されることになるだろう。今後の活躍次第では、市場価値のさらなる上昇、さらには5大リーグへの移籍も見えてくるはずだ。

●14位:中村敬斗

生年月日:2000年7月28日(23歳)
市場価値:1000万ユーロ(約14億円)
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
23/24リーグ戦成績:18試合2得点1アシスト

 フランス1部のスタッド・ランスでプレーする中村敬斗は現在23歳ながら、1000万ユーロ(約14億円)越え。まだまだ市場価値の上昇が期待できる若手選手である。2019年7月にガンバ大阪からオランダ1部のトゥエンテに期限付き移籍した当初の市場価値は75万ユーロ(約1億500万円)ほどだったが、現在は1000万ユーロ(約14億円)。約4年半で13倍以上も上昇している。

 契約期間を1年残してトゥエンテ退団となったが、2020年6月にベルギー1部のシント=トロイデンVVへ期限付き移籍。さらに翌年には、LASKリンツのセカンドチームにあたるオーストリア2部のFCジュニアーズへ期限付き移籍となる。同年8月にリンツへ完全移籍となると、ここがプロキャリアの転機となる。

 2022/23シーズンの公式戦で36試合に出場し、LASKでは左ウィングとして主力に定着すると、17ゴール8アシストと活躍した。これが認められ、2023年8月にランスへ完全移籍を果たし、欧州5大リーグへ初挑戦となった。

  サッカー日本代表デビューは2023年3月に行われたウルグアイ代表戦だった。ここではゴールがなかったものの、同年6月のエルサルバドル戦で代表初ゴールを記録。そこからAFCアジアカップ2023のベトナム代表戦まで5試合連続ゴールとなった。今後も市場価値の上昇に期待がかかるゴール量産型の左ウィングに注目したい。

●13位:伊東純也

生年月日:1993年3月9日(31歳)
市場価値:1000万ユーロ(約14億円)
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
23/24リーグ戦成績:24試合3得点5アシスト

 日本人選手の市場価値ランキングで13位にランクインしたのは、フランス1部のスタッド・ランスに所属する伊東純也だ。現在の市場価値は1000万ユーロ(約14億円)で、これはキャリア最高額となっている。柏レイソル時代の2019年1月時点では、450万ユーロ(約6億3000万円)だったが、日本代表と海外で結果を残し、10億円越えの選手にまで成長した。

 伊東は2019年2月に柏からヘンクへ期限付き移籍。途中加入ながらプレーオフも合わせると、13試合に出場し、3ゴール2アシストを記録して8シーズンぶりとなるリーグ優勝に貢献した。欧州挑戦初年度でいきなりタイトルを獲得することになった。

 その後2020年に完全移籍へ移行。2022年7月にランスへ完全移籍となった。日本代表として2022年のカタールワールドカップに出場。今年1月に行われたAFCアジアカップ2023では、一部メディアが性加害の疑惑を報じた影響で途中離脱となり、大きなインパクトを残すことはできなかった。それでも、ランスに合流後も主力としてプレーし、今季はここまで24試合3得点5アシストを記録している。

 日本が世界に誇れるスピードスターは31歳となったが、現在のキャリア最高の市場価値からまだまだ上がる可能性もある。アジア杯以降、日本代表への招集が見送りとなっているが、北中米ワールドカップ出場へは伊東の力が必要となってくるだろう。

●12位:菅原由勢

生年月日:2000年6月28日(23歳)
市場価値:1200万ユーロ(約16億8000万円)
所属クラブ:AZアルクマール(オランダ)
23/24リーグ戦成績:24試合3得点6アシスト

 オランダのAZアルクマールでプレーする菅原由勢が日本人選手の市場価値ランキングで12位に入った。東京五輪のメンバーからは落選したが、現在のサッカー日本代表では、右サイドバックとして活躍している。キャリア最高額の市場価値は、昨年12月時点の1500万ユーロ(約21億円)。現在は1200万ユーロ(約16億8000万円)だが、まだ23歳でオランダの名門でプレーする若きSBの市場価値はまだまだ上昇するだろう。

 菅原は2019年6月に名古屋グランパスからオランダ1部のAZへ期限付き移籍。翌年2月に買取オプションを行使し、完全移籍に移行となった。AZでは右サイドバックの主力としてプレーし、UEFAヨーロッパリーグ(EL)など欧州の国際舞台も経験。23歳ながら、経験豊富な選手だ。

 A代表デビューは2020年10月のカメルーン代表戦だが、カタールワールドカップ後から代表に定着。今年1月に行われたAFCアジアカップ2023では2試合に出場している。

 菅原の特徴はスピードと正確無比なキック。果敢な攻撃参加からピンポイントクロスを上げることができる。さらに、AZではプレスキッカーも任され、3月17日のフォレンダム戦でFKからスーパーゴールを決めた。現時点で1200万ユーロ(約16億8000万円)。欧州5大リーグでのプレーも期待される。

●11位:守田英正

生年月日:1995年5月10日(28歳)
市場価値:1300万ユーロ(約18億2000万円)
所属クラブ:スポルティングCP(ポルトガル)
23/24リーグ戦成績:21試合2得点4アシスト

 クリスティアーノ・ロナウドやナニなどを輩出したポルトガルの名門でプレーする守田英正がトップ10入りを逃した。だが、1300万ユーロ(約18億2000万円)と高額で、サンタ・クララ時代の2022年5月時点の400万ユーロ(約5億6000万円)から大きく上昇している。

 2018年に流通経済大学から川崎フロンターレに加入すると、1年目からボランチとしてポジションを確保。2度のJリーグ優勝、1度の天皇杯優勝などを経験している。そして、2021年1月にポルトガル1部のサンタ・クララへ移籍。そこでの活躍が認められると、翌年7月にスポルティングCPへ完全移籍となった。

 ポルトガルの名門でも主力に定着し、昨季は公式戦41試合で6ゴール4アシストを記録。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)やUEFAヨーロッパリーグ(EL)など欧州カップ戦も経験している。

 危機察知能力を活かしたボール奪取技術は一級品で、さらにボールキープ力も併せ持つ。日本代表でもその能力を遺憾なく発揮し、カタールワールドカップでも日本のベスト16進出に大きく貢献した。日本が誇る守備的MFは自らの価値を今以上に上げることができるだろうか。

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