●DF:小川諒也(おがわ・りょうや)

 欧州へ渡り、世界トップレベルに成長する日本人選手がいる。だが一方で、大きな期待をかけられながらも伸び悩んでしまった選手やキャリアが停滞してしまう選手もいる。今回は欧州でプレーしながらそのポテンシャルを伸ばしきれていない日本人選手を紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照。

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生年月日:1996年11月24日
所属クラブ:シント=トロイデン
23/24リーグ戦成績:5試合0得点2アシスト

 小川諒也は日本代表にも招集され、長友佑都の後継者候補と期待された左サイドバックだ。身長183cmのフィジカルを持つ小川は空中戦に強く、左足から放たれる高精度のクロスも武器としている。FC東京で定位置を掴んでいた小川は、満を持して2022/23シーズンにポルトガルのヴィトーリア・ギマランイスへ期限付き移籍して欧州へ挑戦することとなった。

 しかし期待とは裏腹に、小川は欧州では十分な結果を残すことができていない。ポルトガルではリーグ戦の出場が6試合のみと飼い殺しの状態となり、シーズン終了後にFC東京へ復帰となった。2023/24はシント=トロイデンへの期限付き移籍で再起を図るも、ベンチ外の状態が長く続き、ようやくデビューしたのは12月の中旬になってのことだった。

 だがデビュー後も、現在評価上昇中のフランス人の若手左サイドバック、エリック・ジュニオール・ボキャがチームでしっかりと定位置を掴んでいるため、2番手の選手として位置付けられている。2月以降は得意の左足から2アシストを記録するなど調子を上げていることがうかがえるが、いかんせんここまで欠場が多かっただけに、来季の去就も不透明になっている。

 FC東京時代は順調にキャリアを積んでいただけに、渡欧して伸び悩んでしまった印象を抱いてしまう。日本代表にも2021年6月を最後に招集されておらず、かつての期待に応えられていない。現在27歳と、あと数年でベテランの域にさしかかる小川は、これからキャリアを挽回させることができるか。

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