子どもって、ふとした時に達観した言動をして、パパやママが驚かされることもありますよね。今回は息子の大人のような発言にビックリした、筆者の知人Cさんから聞いたエピソードをご紹介します。

仕事に育児に追われるママCさん

Cさんには3歳になる息子がいて、保育園に通わせて働くママでした。日々子育てと家事と仕事に、マルチタスクに追われる日々に、充実感を覚えつつも、「誰かに助けてもらいたいな〜……」と思いながら過ごしていました。
そう、Cさんには夫がいるのですが、Cさんの夫は育児も家事もやらない人だったのです。

口出しばかりするCさんの夫

Cさんの夫は育児も家事もせず、それだけならまだしも、遠巻きに「アドバイス」という名の、口出しをしてくるのみでした。「そこ、もうちょっとこうやった方がいいんじゃない?」「なんでここもっと効率的にやらないの?」などなど、(だったらあなたがやってよ!)とCさんは喉まで出かかった言葉をいつも飲み込んで我慢していました。
そして何よりも、息子の相手をしないことにもイライラしていました。3歳の息子が休日に夫が寝転がってテレビを見ているところに飛び込んでいくも、「今忙しいから〜」と面倒くさそうにあしらう姿に、Cさんも我慢の限界を迎えていました。

我慢の限界……その時、息子が!

ある3連休の中日に、夫はリビングのソファに寝転がりながら、スマホゲームをしていて、話しかけてくる息子をほったらかしにしていました。それを見たCさんは、(もう我慢ならない!)と夫に怒鳴りに行こうとしました。
その時、突然息子が夫のところに駆け寄り、「パパって今スマホでお仕事しているの?」と言ったのです。「いや、休みの日は仕事はしないよ〜」と相変わらずスマホゲームをしながら言うと、「パパ、お休みの日は僕と遊ばなくていいの? 僕と遊べる時間って、あんまりないんだよ? 短いんだよ? 知らないの? 遊んでほしくなっても、遊んであげないよ?」と言い出したのです。

「人生何周目ですか?」と耳を疑いたくなるような息子の達観した発言に、夫もCさんも呆気にとられていました。しかし、すぐに夫は「……そ、そうだよな。人生のほんの一瞬だもんな。よし! 公園いくぞ!」と、息子を連れて公園へ出かけていったのでした。

公園から帰ってきた息子に、「あの言葉、誰かに聞いたの?」と聞くと、「ばあばが言ってたよ! お父さんが子どもと遊べる時間は短いって!」と、Cさんの実母が何か入れ知恵をしていてくれたのです。
息子の言葉は夫に響いたようで、その後の保育園の送迎も率先して行ってくれるようになったのでした。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:南さおり