再生可能エネルギー導入に向けた規制の見直しを目指す内閣府のタスクフォース(特別作業班)で提出された資料の一部に、中国企業のロゴマークの透かしが入っていたことが波紋を広げている。経産省や金融庁の資料にも同様の透かしがあり、国民民主党の玉木雄一郎代表は、日本の再エネ政策に「中国の影響が及んでいる疑惑」だとして徹底調査を求めた。

資料は今月22日と昨年12月25日などに開かれた「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」で、民間構成員が提出したもので、「国家電網公司」の企業名やロゴがあったという。同社は中国国営で、中国最大の送電会社とみられる。

資料に同社のロゴが入っていることはSNSで拡散され、内閣府規制改革推進室は23日、X(旧ツイッター)の公式アカウントで認めた。事務局が確認したところ、民間構成員が事業局長を務める財団法人「自然エネルギー財団」が過去に行ったシンポジウムで、財団の関係者が登壇した際の資料の一部を使用した際、テンプレートにロゴが残っていたと説明したという。「財団と中国政府・企業とは人的・資本的な関係はないとのこと」とも投稿した。

河野太郎規制改革担当相は23日、Xで「チェック体制の不備でお騒がせしたことについて、今後は対策を強化し同じようなことが起きないよう徹底していく」とした。

玉木氏はXで、「わが国の再エネ政策が中国の影響が及んでいる疑惑であり、見過ごすことはできない」(原文ママ)と懸念を示した。

同様の透かしは経産省の電力システム改革に関するヒアリングや金融庁の有識者会議で同じ人物が提出した資料でも確認された。

玉木氏は「これが事実なら、資料は、単なるミスではなく、中国企業の作ったパワーポイントをベースにして作られているのでは。これは言い逃れできない。徹底調査を」と強調した。

内閣府は25日朝の時点で、透かしが確認された資料をウェブサイトから削除している。日本維新の会の音喜多駿政調会長はXで「内閣府も、当該資料を『不正アクセスがあった』『当事者から差し替えの依頼があった』と言い訳を二転三転させながら隠蔽とも取られかねない行動に走っています」と指摘した。