NPB(日本野球機構)のホームページには公式戦全試合の平均時間が掲載されています。今季ここまでは3時間7分(延長戦も含む)。昨季が3時間13分でしたからほんの少し短くなっているのですが、皆さんの実感はいかがでしょうか?

ざっと見ると全体的に投高打低、ロースコアの試合が多くなっているのが時短の要因のひとつかもしれません。ただし、相変わらず長い試合は散見します。この仕事でジンクスと感じるのは、自分の担当試合が一度長い試合に当たると、それが続く傾向があるということ。この2週間余を振り返っても、5月4日のヤクルト―中日戦が5時間4分(今季最長試合)。17日のロッテ―日ハム戦が4時間1分…。もちろん熱戦を中継できるのは身に余る光栄です(ということにしておきます)。

ただ、もっとベテランのアナウンサーがこうした試合に当たると、「大丈夫かな」とヒヤヒヤすることも。4月25日のヤクルト―広島戦は3時間56分。担当したのは82歳の宮田統樹アナウンサー、解説は77歳の若松勉さんでしたから、合計159歳のコンビでした!

高齢だからといって、野球の神様は容赦はしてくれません。しかもこの試合は9回にサンタナのホームランが飛び出してヤクルトがサヨナラ勝ち。両軍合わせて17点が入る大乱戦で、もし延長戦になっていたら5時間ゲームになっていたと思います。

もっとも、宮田アナウンサーも若松さんも元気そのもの。全く年齢を感じさせない、切れ味抜群の放送でした。今季、まだ何回かこのおふたりがしゃべることもあると思いますので、ギネスブック級に高齢かつ迫力ある実況をお聴きになってください。

蛇足ですが、本音を言えばせめて3時間半で終わってくれると助かるんですけどね(汗)。 (フリーアナウンサー 松本秀夫)