「食べ過ぎ」「飲み過ぎ」は、心を守る行為

この話をすると、このナイトくんへの怒りや恨み、「そんなの頼んでないよ」「やめてくれよ」という気持ちが湧いてくるかもしれません。

何より、食べ過ぎをやめたくていままでも努力してきたのに、それがうまくいかないのは、自分の心を守るためといわれても納得ができないかもしれません。

それでもナイトくんは、あなたのストレスや不安を緩和するには、食べることがよい、と信じてがんばっています。それで、子どもの頃から成功体験を積んでいるからです。

実際、食べ過ぎや飲み過ぎで悩んでいる人は、心がモヤモヤしたり、ストレスを感じたりしているときに食べてしまうこと、その最中は、イヤな感じから意識を逸らすことができることに気づいているでしょう。

繰り返しになりますが、それがあなたの心を守る行為になっているのです。

しかし、そういわれても納得できないかもしれません。ナイトくんはそのあなたの複雑な気持ちを知っています。

そしてあなたに恨まれていることに寂しさを感じていますし、何よりこの、あなたの心の防衛を自分ひとりで行っていることにしんどさを感じています。

ナイトくんもとても疲れているのです。

まずは、この事実を知ることが、あなたが自分自身を救うためにも、大事なことです。

※本稿は、『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。