北陸三大祭りの一つで、福井県無形民俗文化財「三国祭」が5月19日、坂井市三国町の三國神社周辺で開幕した。雨のため、三国祭保存振興会の山車(やま)1基が一足先に練る「宵山車」は規模を縮小して行われ、見物客らは提灯(ちょうちん)や出店の明かりに照らされた夜の風情をちょっぴり楽しんだ。

 振興会は今年、歌舞伎「義経千本桜」に登場する化け狐(ぎつね)、狐忠信の人形山車(高さ6・4メートル)を奉納する。山車はこの日午後6時半すぎ、雨よけのビニールをまとい、お囃子(はやし)と「よーいーやまー」の掛け声の中、同神社前の道路を往復した。約30分だけだったが、真っ白な顔に赤い隈(くま)取り、にらみをきかす人形は見物客を圧倒していた。

 中日の20日は6基の山車が巡行する。振興会の山車と四日市区の「那須与一」、大門区の「石川五右衛門」、下西区の「柴田勝家」、竪、上横区の「武田信玄」、南末広区の「雑賀孫市」は三國神社を午後1時から順次出発する。午後5〜7時ごろは、えちぜん鉄道三国駅前に集結し、同9時ごろまで再び練る。