ABEMA「緊急渡米!石橋貴明のベースボールのおかげです。」をオンエア

 名門・帝京高硬式野球部OBの石橋貴明さんは、言わずと知れた“野球通”だ。日本球界はもちろん、メジャーに関する知識も豊富で、口を開けば次から次へと、脳裏に刻まれた数々の名場面が鮮明によみがえる様は圧巻でもある。

 そんな石橋さんは今年2月、球春到来に居ても立ってもいられず、メジャー15球団がスプリングトレーニングを行う米アリゾナ州を訪問。パドレスのダルビッシュ有投手に直撃インタビューをしたり、カブスの鈴木誠也外野手や今永昇太投手らを激励したり、メジャーの今をその目で確かめてきた。石橋さんがアリゾナで過ごした野球三昧の日々の様子は、ABEMAで28日から5週連続で「緊急渡米! 石橋貴明のベースボールのおかげです。」としてオンエア。大好きなメジャーを五感で味わってきた石橋さんが「Full-Count」の取材に応じ、アリゾナで味わった興奮と感動を明かした。

百戦錬磨の石橋さんがダルビッシュの“圧”に「野球人として…」

「久々に、あがりました」

 芸能界のトップランナーとして長く走り続けている石橋さんが、意外な言葉を口にした。ダルビッシュにインタビューした感想を聞いた時のことだ。「僕はなかなか、ウッとなることはないのですが、ダルさんにはね……。野球人として、やっぱりスーパースターだなっていう“圧”に、ちょっとあがりましたよ」。そう語る顔には、野球少年が憧れの選手に出会ったような大きな笑みが浮かぶ。現地での興奮がよみがえってきたようだ。

 自身で「野球人として」と言う通り、帝京高では投手として甲子園を目指した石橋さん。アリゾナ州ではドジャース、カブス、パドレスのキャンプ施設を訪問し、広大な敷地、充実した設備を目の当たりにした。「気候もいいですし、野球をやるには抜群の環境ですよね。ああいう環境でやれている選手をうらやましく思いました」と振り返る。

 カブスの鈴木、今永、パドレスの松井裕樹投手にもインタビューしたが、その中でもダルビッシュから受けた印象は強烈だったという。「1年365日、24時間、本当に野球のことだけを考えていることが伝わってきました」と感嘆する。

「(ダルビッシュは)常にボールを持って、どう変化をつければ、どう曲がるのだろうかとか、こういうボールを投げるにはどうしたらいいのだろうかとか、常に考えていると言っていました」

今年のメジャーでは4球団で日本人タッグ結成

 ダルビッシュといえば、昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、若い侍ジャパンの投手たちへ積極的にアドバイスを送っていた姿が記憶に新しい。だが、石橋さんは「逆に、この子の投げているボールがいいな、となると、若い選手に『教えてくれ』と頼んで吸収していたそうです。『相乗効果でお互いのピッチングが良くなればいいんですよ』と。そういう考え方の柔らかさが素晴らしいですよね」と“取材”で掴んだ舞台裏を明かす。

 今年のメジャーでは「チームに日本人選手が2人いる形ができた。ドジャースでは山本(由伸)くんに大谷(翔平)さん、松井くんにはダルさんがいる。かなりキャリアを積んでいる人が近くにいるのは、心強いでしょう」と指摘。メッツは2年目・千賀滉大投手が右肩の張りで出遅れているが、藤浪晋太郎投手が加入し、鈴木と今永のカブスと合わせると、その数は4球団に及ぶ。石橋さんは「非常に楽しみです。日本人選手2人がともに活躍したら、そのチームはかなり上位にいくのではないでしょうか」と“日本人タッグ効果”を期待する。

「メジャーリーグ2」のレジェンドにスター選手が大興奮

 実は、石橋さんは日本人以外のメジャー選手の間でも、かなり有名である。1994年公開の米コメディ映画「メジャーリーグ2」に、日本人選手のタカ・タナカ役で出演しているからだ。公開当時にはまだ生まれていなかったり、物心がついていなかったりした選手たちも、DVDなどで鑑賞したことがあるという。

 今回の渡米でも「(フェルナンド・)タティス・ジュニア(外野手)や(マニー・)マチャド(内野手)に『うわっ、映画はもうやらないの?』と聞かれて、『俺はもうオールドマン(老人)だよ』と答えました。(ザンダー・)ボガーツ(内野手)には『今は何をやっているの?』と聞かれ、『ジャパニーズTVだよ』とハグを交わしました」と嬉しそうに明かす。

「メジャーリーグ2」の公開は、野茂英雄氏がドジャースと契約し、村上雅則氏(ジャイアンツ)以来30年ぶり2人目のメジャーリーガーとなった1995年のさらに前年。石橋さんが「僕は自分を“日本人選手第2号”と呼んでいます」と笑うのも、もっともだ。

「あの映画が公開されてから、ちょうど30年ですか。その間に、野茂英雄さんが日本人メジャーリーガーの道を切り拓き、大魔神(佐々木主浩氏)が行き、イチローさんが行き、新庄(剛志・現日本ハム監督)さんが行き……ついに大谷さんが行ってホームラン王になった。その成り行きに驚きますし、すごいと思います」

大谷翔平にMLB史上初の快挙期待「フォーティー・フォーティーどころではない」

 今季はすでに20、21日、韓国が舞台となったドジャースvsパドレス2連戦で開幕。第2戦ではダルビッシュvs大谷の初対決で大いに盛り上がった。そんな今季の見どころについて、石橋さんはこう考えている。

「今年打者に専念する大谷さんが、どんな成績を残すのか。ひょっとしたら、フィフティー・フィフティー(50本塁打・50盗塁)をやるのではないか。フォーティー・フォーティー(40本塁打・40盗塁)どころではないのではないか。そして、本当に入団1年目でワールドチャンピオンになってしまうのではないか。その可能性は十分あると思うんですよ」

 石橋さんの頭の中でどんどん膨らむ予想は、現実のものとなるのか。今年もまたメジャーの舞台で数々のドラマが生み出される。(Full-Count編集部)