2020年から2022年途中までエ軍の指揮を執ったジョー・マドン氏が心境を明かした

 ドジャース・大谷翔平投手がエンゼルス時代に監督を務めたジョー・マドン氏が、フロリダ州の地元紙「タンパベイ・タイムズ」の取材に応じた。マドン氏はドジャースを解雇となった大谷の元通訳・水原一平氏の違法賭博関与疑惑について「とても驚いている」などと見解を述べた。

 同紙は「ジョー・マドンはショウヘイ・オオタニの賭博スキャンダルをなんとか理解しようとしている」のタイトルで記事を掲載。レイズやカブスで監督経験のある同氏は、2020年から2022年途中までエンゼルスの監督を務めた。両者をよく知るだけに「この出来事にとても驚いている」と心境を明かした。

「ありえないことだ。2人の周りにある程度の期間いた人たちは、このような事態になるとは誰も予想できなかったし、両者どちらの話も、誰も信じることができないだろう。私も含めて、ショウヘイが賭けごとをするとは思わないし、イッペイがショウとの信頼関係を壊すとも思わなかった。私は彼らと毎日一緒にいたし、毎日コミュニケーションを取っていた。そうやって、(大谷が)二刀流選手になるまでに至ったんだ」
 
 長年一緒に行動したコンビが“まさかの形”で解消されたことに、今でも信じられない様子だった。「私が言いたいのは、彼らと多くの会話をして、コミュニケーションを取ってきたということだ。みんなが言っていたように、彼らは切っても切れない関係だった。彼らはいつも仲が良さそうだった。彼らの間に口論や意見の相違があったのを見たことがない」とコメントした。

 大谷と水原氏がコミュニケーションを取る姿を何度も目にし、2人は友好的な関係を築き上げていた。マドン氏は「私たちは皆、(身近にいる人と)同じような価値観を共有したいと思っている。彼(大谷)はイッペイと友達だったから、彼が正しい人を選んだと信じたい。イッペイと話すと、なぜ彼らがあんなに仲が良くて、なぜ彼がイッペイを信頼しているのかが分かる」と当時の水原氏の人間性を評価していた。

「ショウは物質主義者のようには見えなかった」

 さらにマドン氏は「ショウは物質主義者のようには決して見えなかった」として“派手”な生活を好んでいないと主張。記事では、大谷は裕福であることへの渇望を見せなかったとして、ドジャースと10年7億ドル(約1060億円)という破格契約を結びながらも、約97%にあたる6億8000万ドル(約1029億円)を“後払い”にしたことを紹介している。

「それを聞いた時、最初は『すごい。アンドリュー・フリードマン(ドジャースの編成本部長、元レイズGM)は本当に奇抜なことを思いついたんだな』と思った。でもその後、実はショウヘイのアイデアだということを知った」

 マドン氏は「それはショウがどんな人なのかを示している。彼は物質主義ではない。(金銭的なことは問題ないのに)なぜ賭け事で金を増やそうとするのか? 彼はお金や富が常に(周りに)あることを知っているんだから」と続け、大谷の人間性にも触れていた。(Full-Count編集部)