任天堂に提訴され、和解金を支払うことになったニンテンドースイッチエミュレーター「Yuzu」について、海外コミュニティでさまざまな反応があがっています。

代替品まで登場か…海外コミュニティ荒れる
Yuzuはニンテンドースイッチのオープンソースのエミュレーターとして有名なソフトウェアでした。なお、開発資金集めと称し、ユーザーへPatreonなどでの金銭支援も求めていた模様です。しかしながら2月末には任天堂より技術的措置を違法に回避し、発売前に流出した『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をはじめとした違法な利用を助長しているとして提訴されました。

Yuzuを提供するTropic Hazeは召喚状に応じた後、和解金として240万ドル(約3億6,000万円)を支払うことに合意。ソフトウェアの頒布や、Patreon、Discordサーバーの運営も停止となり、入手が不可能となりました。


これに対しYuzuのユーザーなどは大きな反応を見せています。任天堂やYuzuの開発者を非難するユーザーに対して口汚く罵る人や、「海賊版は悪い」とする一方でエミュレーターの必要性を訴え、任天堂を擁護するユーザーへの理解に苦しむ人などが出てきています。

加えて、あくまで任天堂はYuzuの停止を求めたのみですが、Yuzuの開発者が提供していたニンテンドー3DSのエミュレーター「Citra」の頒布も終了。SNS上では古いコンソールのエミュレータまでもが公開停止となったことに対して、失望をあらわにするユーザーの姿も見られます。

他にも、オープンソースであったYuzuの最新版をベースにした新たなエミュレーターが登場しているという海外報道も。それらも任天堂から提訴されるかは定かではありませんが、やや危うい行為のようにも見えます。

エミュレーターは過去のハードウェアとそのソフトウェア資産を擬似的に現代に動作可能な形で残す方法であり、任天堂を始め各コンソールメーカー自体も過去タイトルを現代に再販するために、時にはオープンソースのものの派生も含めそれらの技術を用いることがあります。一方で、エミュレーターにまつわるコミュニティでは違法にプロテクトを回避したり、ゲームデータ自体が違法に配布されている例も聞こえてきます。今後もエミュレーターにまつわる議論は続きそうですが、本件が残した波紋はなにかの形で他に影響を与えることはあるのでしょうか。