新型コロナウイルス感染症の5類移行後初となるゴールデンウイーク(GW)が27日からスタートする。規制のないGWは、改元フィーバーに沸いた2019年以来5年ぶり。物価高騰に加え、コロナ禍を経て多様化した消費者の購買行動を見極め、小売各社は集客施策に知恵を絞る。ここ数年は振れ幅が大きいGWが続いただけに、消費者の動向を注視している。

 物価高への対応を進めるのがスーパーマーケットのバローだ。今月から全243店で食品や生活必需品約500品を通常価格から1〜2割ほど値下げした。広報担当者は「インフレが続く中、お客さまが特に必要とする商品をお値打ちに販売し、喜んでもらいたい」と狙いを話す。全商品の2%程度だが、着実に集客に結び付ける。「(GWは)天候に左右されるが、人流が行楽地で増え、そのエリアの店舗では売り上げが増える」と見込む。

 スポーツ用品のヒマラヤは部活需要の取り込みを目指す。GWは例年、新入生向けに部活用品が最も売れた時期だったが、コロナ禍は低迷。三井宣明取締役管理本部長は「コロナによるスポーツ離れや少子化もあって、コロナ前と同じとはいかないが、来店動機を高めたい」と話す。メーカー各社が値上げを進め、売れ筋商品も集中する中、従業員が子どもに合った商品提案に力を入れる。

 「昨年のGWは遠出する人が増えたことがマイナスに働いたが、今年はどう出るか読みにくい」と話すのは、100円ショップのセリアの三宅奈津子取締役総務部長兼経営企画室長。コロナ前はGWの売り上げ変動は大きくなく、平月の祝日と変わらない中で、昨年秋からコロナ前に戻りつつある来店の流れがそのまま続くのか、引き続き購買動向を分析する考えだ。

 県内の大型ショッピングセンター(SC)は、コロナ禍に抑えた集客イベントを強化する。モレラ岐阜(本巣市三橋)はリニューアル効果の流れのまま広域集客を目指す。カラフルタウン岐阜(岐阜市柳津町)は子ども用遊具の設置や大自然の体験企画といったイベントを用意し、ファミリー層にアピールする。マーサ21(同市正木中)を運営するカワボウの武藤治彦取締役SC営業本部長は「コロナ前のGWに戻るとみている。地域と連携したイベントでお客さまを迎えたい」と意気込む。