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2023年3月10日の記事を編集して再掲載しています。

2024年の6月頃から観察できるかも。

中国と南アフリカの天文台が、地球に近づきつつある彗星を発見しました。

2024年、地球に最接近予定

この彗星はC/2023 A3(Tsuchinshan-ATLAS)と命名。中国にある紫金山天文台の天文学者らが2023年1月に、そして南アフリカの小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)が同年2月22日に発見したと小惑星センターは発表しています。またLive Scienceによると、彗星の姿はカリフォルニア州にあるパロマー天文台が2022年12月に撮影した画像にも写っていたようです。

C/2023 A3の軌道は大きく楕円を描き、8万660年ごとに太陽を周回します。EarthSkyいわく、2024年9月に太陽に最も近い点を通過し、地球に最接近するのは2024年10月13日になると予測されています。

しかし、その前に消滅してしまう可能性も。彗星は岩石や塵、氷などの塊であって、C/2023 A3は高温ガスの塊である太陽に近づくわけですから、加熱されて崩壊するかもしれません。

金星の最大光度に近い明るさ

天文学者らは、C/2023 A3が5万年ぶりに地球に接近したグリーン彗星(C/2022 E3、ZTF彗星)よりも明るく輝くと評価しています。グリーン彗星の明るさは最大で約4.6等級と、視力がよければ肉眼でも晴れた空で確認できるものの、望遠鏡の方が良く見える程度でした。

C/2023 A3は太陽の熱を耐え抜けば、最大でマイナス5等級という、金星の最大光度に近い明るさに達する可能性があります(参考までに、太陽の見かけの等級はマイナス26.7等級で、満月はマイナス11等級)。

今後太陽系内部に向かってくるにつれて、C/2023 A3の大きさや残存する可能性など詳細についても明らかになっていくでしょう。

Source: The Minor Planet Center, Live Science, EarthSky, Britannica,