今季すでに5戦を消化している日本男子ツアー、試合中のギャラリーの撮影制限は現況でどうなっているのだろうか。

結論を先にいえば、「基本的にはトーナメントでの撮影制限はしていません。ただ試合によっては条件付きではあるでしょうが」と話すのは、ツアーを主管するJGTO広報の大西祐介氏。

国内ツアーでギャラリーの撮影許可が話題になったのは17年頃からだ。いくつかの試合で練習グリーンやドライビングレンジなどを限定して撮影が許可されたが、試合中は映像の権利の問題などからNG。

解禁の大きなきっかけになったのは19年の10月、PGAツアーのZOZOチャンピオンシップが日本で開催されたことだ。同年6月には日本ツアー選手権で、試合中の写真撮影が許可されたことが話題を呼んだが、それでも1ホールだけの制限付きだった。

ところがZOZOではビデオカメラ、自撮り棒などの持ち込みは禁止でもスマホでの動画は全てのエリアで撮影OK(写真撮影はエリアを限定)。

PGAツアーでも紆余曲折を経ての解禁だったのだが、その一番大きな理由はSNSによる拡散で、試合そのものの”宣伝”になるということだった(マスターズは全面禁止)。

しかし、日本での撮影禁止はまさに米国とは真逆でSNS拡散がネック。その理由はテレビ放映との兼ね合いだ。

日本でのゴルフ中継の多くは生中継ではなく、録画したものを遅れて放送するディレイ放送。ギャラリーが動画を撮影しながらライブ配信すると、優勝者など結果がわかってしまい、二番煎じになってしまうという危惧がテレビ側にあったからだ。

だが時代の流れには逆らえず、23年度は26試合中18試合で撮影解禁となり、全試合解禁に向けて現在に至っている。

「SNS拡散は止めようがないし、米国のように拡散することで盛り上がるほうをとったほうが賢明で、解禁は大賛成」(テレビ解説者・タケ小山氏)時代の趨すう勢は撮影解禁に向かっていることは確か。

ツアー人気浮上の一助となるか。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月28日号「バック9」より

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