人気SUVがビッグマイナーチェンジ。新グレードの追加で「魅力」超アップ!

ホンダの人気モデル「ヴェゼル」が、この春、ビッグマイナーチェンジを受けることが、公式ティザーサイトを通じて発表された。現時点では価格は不明だが、新グレードや、追加される装備や機能を見る限り、従来モデル以上に万能タイプのSUVに仕上がりそうだ。コンパクトSUVを探しているユーザーはもちろん、一つ上のミドルSUVを検討しているユーザーにとっても注目する価値がありそうだ。

●文:横田 晃

新型ヴェゼル 最新情報

アウトドアも視野にいれた
「HuNT」モデルを投入

 全長4330㎜、全幅1790㎜(現行型)の手ごろなサイズ感とスポーティなデザインで、幅広い層から支持されているヴェゼル。
 今回のマイナーチェンジでは、グリルをよりワイドなデザインとして存在感をアップしたほか、インテリアでも、インパネ中央に上下2段のトレイを設置して使い勝手を向上させるなど、細やかな手入れがなされている。
 さらにラインナップは、1・5ℓガソリン車のGが4WDのみとなるほか、最高グレード車だったPLaYが、上級のe:HEV Zに専用エクステリアや2トーン塗装を加え、オプションのパノラマルーフも選択できるPLaYパッケージという位置づけになる。従来はFFしか設定がなかったが、4WDも選択できるようになるのもニュースだ。
 そして見逃せないのが、魅力的な新パッケージ、HuNT(ハント)の存在だ。こちらはミドルグレードのe:HEV Xがベースで、フルLEDヘッドランプ/リヤコンビランプや撥水・撥油機能付きコンビシート、ルーフレールなどの専用装備を纏い、アウトドア気分を高めてくれるグレードで、FFと4WDの両方が選べる。従来モデルまでは街中で映えるシティ派のイメージが少し勝っていたが、SUV本来の魅力を追求するパッケージグレードが追加されることで、これまで以上のニーズに応えてくれることになる。

e:HEVの進化による
走行性能の底上げにも期待
 ハードウェアで注目すべき点は、現行モデルから採用されている2モーター方式のハイブリッドシステム、e:HEVの進化だ。
 e:HEVは、走行用と発電用の2個のモーターを備え、低中速域ではエンジンで発電しながら、もしくはバッテリーの電力でモーター走行するシリーズハイブリッド。モーターの効率の落ちる高速域では、クラッチを接続してエンジン駆動で走行できるため、幅広い速度域で効率的な走りができることが強み。 
 もともと2013年にi-MMDとしてアコードでデビューし、小型車には2020年のフィットから積まれて、2021年に現行ヴェゼルにも採用されている。まだまだ熟成の余地があった。事実、この春に発売される新型アコードのシステムも、メカニズムを大きく変えて、完成度を高めている。
 今回のヴェゼルのマイナーでも、そのメカニズムと制御の進化ぶりが期待できるのだ。アコードのような構造上の大きな変更はない模様だが、モーターで走る領域を広げて、瞬発力が必要な走行シーンでもスムーズで力強い走りを実現したというホンダの説明からも、これまでも前面に出してきた走りの良さにさらに磨きがかけられたことがうかがえる。
 ホンダのSUVは、パイオニアだったCR-Vがアメリカ市場向けに路線変更してしまい、ヴェゼルが幅広いユーザーをカバーしなければならない状況だった。そこへ2023年春に兄貴分のZR-Vが加わり、今年の3月22日にはコンパクトで手ごろなWR-Vが正式に発売された。
 今回のヴェゼルのマイナーは、フルラインナップが揃ったホンダSUVのそれぞれの立ち位置を、鮮明に整えるものといえる。この春の商談では、ヴェゼルを中心としたホンダSUVの話題で、盛り上がること間違いないだろう。

e:HEV Z

ボディカラー:プレミアムサンライトホワイト・パール

主要装備
●Honda SENSING
●Honda CONNECT for Gathers+ナビ装着用スペシャルパッケージ
●フルLEDヘッドライト〈デイタイムランニングランプ付〉
 (オートレベリング/オートライトコントロール機構付)
●運転席&助手席シートヒーター
●ステアリングヒーター
●ハンズフリーアクセスパワーテールゲート(予約クローズ機能付)
 後席用USBチャージャー(Type-C/2個付)
●コンビシート(プライムスムース×ファブリック)&専用インテリア
●LEDシーケンシャルターンシグナルランプ(フロント)
●フルLEDリヤコンビネーションランプ
●e:HEV Z専用エクステリア
 (シャープシルバー塗装バンパーロアーガーニッシュ〈フロント/リヤ〉、
 プラチナクロームメッキ調加飾ドアロアーガーニッシュ)
●18インチアルミホイール(ブラック塗装+切削)

e:HEV X・HuNTパッケージ

ボディカラー:ボタニカルグリーン・パール

主要装備
●Honda SENSING
●Honda CONNECT for Gathers+
 ナビ装着用スペシャルパッケージ
●フルLEDヘッドライト〈デイタイムランニングランプ付〉
 (マニュアルレベリング/オートライトコントロール機構付)
●コンビシート(プライムスムース×ファブリック)&専用インテリア
●FABTECT(撥水・撥油)
●フルLEDリヤコンビネーションランプ
●電動格納式リモコンドアミラー(シルバー)
●フロントグリルガーニッシュ(シルバー)
●HuNTパッケージ専用エクステリア(カッパー・メタリック塗装フォグライト
 ガーニッシュ、バンパーロアーガーニッシュ(〈フロント〉カッパー・メタリック塗装/
 〈リヤ〉シャークグレー・メタリック塗装)、ルーフレール)
●16インチアルミホイール(シャークグレー・メタリック塗装)

e:HEV Z・PLaYパッケージ

ボディカラー:シーベッドブルー・パール&シルバー

主要装備
(※e:HEV Zの装備に加えて以下の装備を追加)
●Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器
 〈ナビゲーション連動〉
●ワイヤレス充電器
●ライトブルー塗装インパネガーニッシュ&
 ドアライニングガーニッシュ
●電動格納式リモコンドアミラー(シルバー/ブラック)
●フロントグリルガーニッシュ(シルバー/ブラック)
●PLaYパッケージ専用エクステリア(カラーバーオーナメント付
 フロントグリル、ブラック塗装バンパーロアーガーニッシュ
 〈フロント/リア〉、ライトブルー加飾ドアロアーガーニッシュ)
●2トーンカラー
●パノラマルーフ(メーカーオプションとして設定)

カスタムスタイルも先行公開

 新型ヴェゼルの告知に合わせて、ホンダ車の純正アクセサリー開発部門、ホンダアクセスが手がけたコーディネートスタイルも先行公開された。
 オリジナルデザインのアルミホイールやグリル、ロアスカートやガーニッシュなどの大物から、ドアミラーカバーやデカールなどの小物まで、トータルに展開。それらを組み合わせた、「スポーツ」「アクティブ」「アーバン」「カジュアル」の4タイプのコーディネートが提案されている。このまま市販化されるかは不明だが、いずれもヴェゼルの魅力をより高めてくれるだけに、正式発表が待ち遠しい。

Sports Style
Active Style
Urban Style
Casual Style

著者:内外出版/月刊自家用車