『レスリングどんたく 2024』福岡国際センター(2024年5月3日)
IWGP GLOBALヘビー級選手権試合 ○ニック・ネメスvs棚橋弘至×

 ネメスが棚橋を返り討ちにしてIWGP GLOBAL王座V1。試合後、乱入したデビッド・フィンレーに怒りを爆発させ、「明日の夜にやってやる!」と宣言した。

 元WWEのネメスは新日本初参戦となった2・23札幌大会でフィンレーを下し、IWGP GLOBAL王座を初戴冠。翌日の大会では初防衛戦の相手として棚橋を指名した。当初は4・6両国大会で行われる予定だったが、棚橋の右足関節負傷で延期に。福岡2連戦初日のメインでついに両雄の対戦が実現した。

 基本に充実なレスリング勝負で試合はスタート。ドロップキックでスキを突いたネメスはロープ際でジャーマンの体勢に。こらえた棚橋はドラゴンスクリューを決めると、得意技でリズムを刻み、低空ドロップキックも発射した。だが、ネメスは同じ低空ドロップキックで譲らず。お株を奪う左ヒザ攻めに打って出る。場内からは「棚橋」コールも発生したが、様々な関節技を巧みに使うネメスのヒザ攻めが猛威を振るい、棚橋をジワリジワリと追い詰めていく。

 ネメスは飛びつきDDTで突き刺すも、棚橋は必死にキックアウト。得意のフライングフォアアームやダイブ式サマーソルトドロップで挽回し、「棚橋」コールを巻き起こした。場外転落を誘われても、ロープを掴んで逆上がり。ネメスも同じ動きで呼応し、エアーギターをかき鳴らすと、フライングボディアタックは相打ちに。両者はリング中央で大の字になった。

 2人はエルボー合戦で火花。ネメスは頭突きをぶち込んだものの、棚橋はスリングブレイドで黙らせると、一気にハイフライフローアタックを発射する。そして、正調ハイフライフローで勝負に出るも、避けられて痛恨の自爆に。それでも懸命に立ち上がるが、ネメスは狙いすましたカウンターのトラースキックをぶち込んだ。勝負を捨てない棚橋もツイスト&シャウトやスリングブレイドで粘りを見せ、2度目のハイフライフローを放つが、ネメスが剣山で迎撃。博多は「棚橋」コールに包まれたものの、ネメスはデンジャーゾーン2連発で一気に試合を制した。

 ネメスが棚橋を返り討ちにして、IWGP GLOBAL王座V1。熱戦を繰り広げた棚橋と抱擁を交わして健闘を称え合った。多幸感溢れるエンディングとなったが、そんな空気を引き裂くように前王者のフィンレーが外道を引き連れて乱入。ネメスも迎え撃ち、棚橋も巻きこんで大乱闘に発展する。

 BC WAR DOGSのメンバーやセコンドが割って入り、乱闘は収まるが、感情剥き出しのネメスはフィンレーに「この腑抜けが!」とマイクで激怒。「クソだな、背後から俺を襲うなんて。お前に度胸があるなら、本当の度胸があるなら、俺はこのタイトル防衛戦をいつでもどこでも受けてやる。俺は優れているのだから、お前が決めればいい」とベルトを懸けての迎撃を示唆すると、「そうだ。明日の夜だ。その通り、明日の夜にしよう。フィンレーvs“WANTED MAN"ののGLOBALタイトル戦だ。やるぞ」と通告。それを聞いたフィンレーも不敵な表情を浮かべてみせた。

 明日(4日)、ネメスは今日戦った棚橋と豪華タッグを結成し、タイチ&TAKAみちのくと対戦する予定だが、突然のフィンレー戦が急浮上した。