人とクマのすみ分けを目指す札幌市は、13日、これからの対策について専門家らと意見を交わしました。

13日の会議では、電気柵を使ってクマのエサになるクルミの木などを管理することや、個体を識別するためのDNA分析の回数を増やすことなどについて、意見が交わされました。

札幌市環境局環境共生担当課 坂田一人課長
「去年、札幌市で問題個体3頭を捕獲している。それを捕ったのが南区ばかり。(今年は)南区の出没が少し抑えられている」

札幌市は去年、「さっぽろヒグマ基本計画」を改定。西区や中央区、南区の一部を重点エリアと、地区全体を含めた重点行政区エリアを指定し、対策を強化してきました。

このエリア内では、これまでにメスの定着個体5頭が確認されています。

このうち、去年7月に南区北ノ沢で「箱わな」にかかるなど、すでに2頭を捕獲。残る3頭は、生存しているとみられます。

札幌市環境局環境共生担当課 坂田一人課長
「重点エリアに出ている個体すべてが人に無警戒なものでもないので、見極めもしていきながら有害性につながるような兆候が見られるものには、しかるべき対応をしていく」

重点エリアでは、昨年度67件のクマの出没が報告されていますが、札幌市は、2028年度までに17件まで減らす目標です。

現在、人身被害が生じる可能性がある場合に限り、猟銃使用の条件を一部緩和する、鳥獣保護管理法の改正の議論も進んでいます。

札幌市としても今後、改正案を視野に準備を進めることになります。

札幌市の担当者はクマの被害を防ぐため、重点エリアに住んでいる人は「家庭菜園に電気柵を設置する」、町内会単位で「クマの侵入ルートとなる草を刈り取る」などの対策をとってほしいと話しました。

電気柵の設置に、札幌市は今年度、4万円を補助するということで、去年より金額を倍増しました。クマの問題は、最終的には人間の側がどう行動するかが問われる問題です。

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