画像は森下暢仁

 

7月2日  ●0−3阪神(延長10回)(マツダスタジアム)
阪神 000 000 000 3・3
広島 000 000 000 0・0

広島通算71試合37勝30敗4分け(首位キープ、2位DeNAと2差)
18時1分開始・3時間4分、27,151人
相手先発 才木8回4安打0失点
広島本塁打 −
阪神本塁打 −
広島登録抹消 △ハーン


広島スタメン
一番センター秋山
二番ライト野間
三番レフト上本
四番サード小園
五番ファースト坂倉
六番セカンド菊池
七番ショート矢野
八番キャッチャー曾澤
九番ピッチャー森下8回125球4安打無失点
H栗林
●島内(35試合5勝5敗)
河野

 

延長十回、阪神5人目のゲラを攻めて一死満塁…。しかし代打松山が二ゴロ併殺打に倒れてゲームセットとなった。今季13度目の完封負けを喫した新井監督はベンチの一番前であまり表情を変えずにその瞬間を見届けた。

 

猛烈な雨に見舞われた広島市内は午後4時頃になってやっと晴れ間ものぞくような状況だった。当然、グラウンドレベルの不快指数は跳ね上がる。噎せ返るようなマツダスタジアムのマウンドで、しかし前回9回マダックス完封の森下と、両リーグ最多の8勝を挙げている才木の投げ合いはまさにハイクオリティなものになった。

森下は8回4安打。序盤、顔から噴き出ていた汗もその後はしだいに引いていき最後まで変わらぬペースで125球を投げ切った。真っすぐのスピードをやや抑えて体力を温存していたのではないか?五回にはNPB史上20人目となる3者連続3球三振をいずれも空振りで記録するなど9奪三振の快投だった。

だがそんな右腕を援護したい打線は「スライダーでカウントを整えられるようになり、真っすぐの回転数も増している」(朝山打撃コーチ)という才木の前に五回まではノーノーに封じられ、六回先頭の曾澤が右前打するのがやっと。七回も音無しに終わった。

悔やまれるのは二回の攻撃。小園のビテボテの当たりを才木が一塁悪送球。無死三塁の好機をもらいながら、内野が後ろに守っていたにもかかわらず坂倉は三邪飛、菊池は投ゴロ、矢野は二直に倒れた。

 

 

逆に延長十回に献上した3点にはミスからだった。

マウンドには3人目の島内。一死から八番小幡に四球を与え、途中出場の島田には真っすぐを3球続けて右前打された。エンドランがかかっており小幡は三塁へ、ところがライト野間からの返球がサード小園の頭上を通過…カバーした島内の動きも位置取りも悪く、白球はその横を通過してカメラマン席に白球が飛び込んだ。

労せずして先制した阪神ベンチに傾いた流れはもう変わることはなかった。続く近本にも左越え適時二塁打された島内が肩を落としてベンチに下がると、救援した河野も中野に右前適時打されたのである。

 

 

交流戦明けから始まった週頭に森下を持ってくる新ローテは2回り目で早くも躓いた。とはいえ森下はこれでマツダスタジアムでは36イニング連続無失点…1点だけでも援護できていれば森下は勝てたのではないか?

6月に首位にいたチームは「V確率80%」の高率が保証されているが、気が付くと交流戦7連勝フィニッシュのあとも快調に飛ばすDeNAが2ゲーム差にまで迫ってきた。

この日、先ごろ球団から契約解除を通達されたレイノルズが番記者に見送られJR広島駅から帰国の途についた。おそらくもう二度と、この街に戻ってくることはないだろう。

DeNAは同一リーグ戦再開後7勝3敗とそのペースを落としていない。首位を行く広島は5勝5敗だが、その間22得点(失点は18)しか取れていない。(ひろスポ!取材班&田辺一球)