◆体操 ▽パリ五輪代表選考会兼個人総合全日本選手権 最終日(14日・高崎アリーナ)

 個人総合で争われ、男子決勝は、2016年リオ五輪団体金メダルで、34歳のベテラン・田中佑典(田中体操クラブ)が、予選との合計169・764点で6位につけた。得意の平行棒で全体6位の14・966点、鉄棒で全体2位の14・933点をマーク。予選ではともに15点台をマークしており、高得点を並べ、安定感を発揮した。

 五輪代表は5人。全日本の得点を持ち越して争う5月のNHK杯(高崎アリーナ)で、すでに決定している五輪王者の橋本大輝(セントラルスポーツ)を除く上位2人と、チーム貢献度で2人が代表に決定する。

 水鳥寿思・強化本部長はチーム貢献度の2人について、「誰が上がってくるか今のところ分からないが、15点を取っている選手は大きい。田中選手もチャンスがある」との見解を示し、田中の2大会ぶり五輪出場の可能性は十分、残されている。

 過去、内村航平さんは32歳、小野喬さんは33歳で五輪に出場しているが、30代での代表入りは数少ない。一般的なピークを過ぎている年齢でもまだまだ、体操を追究し続けている田中は「我ながら変人。おかしな域に来たな、と」と苦笑いも、「ベテランぶっても仕方ない。年齢のことをあまり言うのもあれなんですけど、よくやっているなと思う。この瞬間を楽しんでいます」と語った。パリ五輪への挑戦を前に「本気でやるからには、(五輪に)本気で入るつもりでやってきた。NHK杯に向けてまた仕上げていきたい」と言葉に力を込めた。